そんで彼女はクイーン

先週、配達中にラジオを聴いてたら「忌野清志郎でデイ・ドリーム・ビリーバーでした」と曲を紹介したパーソナリティに・・・

「いや、全然違うだろ。THE TIMERSでデイ・ドリーム・ビリーバーでした、だろ」

と心の中で突っ込みを入れた。

細かいことを気にするなって?いえ全然細かくありません。そもそもこのバンドの歌い手は忌野清志郎ではなくZERRYです。

そして先日Twitterのタイムラインを眺めてたらとある若者が「長年付き合った彼女と別れた帰り道にセブンイレブンに寄ったら、店内で例の『♪ずっとゆめーをみてー』という曲が流れて泣きそうになった」というツイートが出てきた。

「いや、全然違うだろ」と僕はまたツッコミを心の中で入れた。

この曲はザ・モンキーズというアメリカの歌謡バンドの原曲に忌野清志郎が、いや、ZERRYが日本語で作詞してカバーしたものなのはみなさんご存知のとおり。

ただし原詞はラヴソングなのだが、ZERRYの書いた詞は母親へ向けてのものだということを、リリース当時か後年だったか忘れちゃったけどそう読んだ記憶があるし、国内のロック音楽が好きな奴には恐らく広く知られてる話。

忌野清志郎の実の母親は3歳当時に亡くなっていて、彼はずっと母の姉、つまり叔母から育てられた。そしてその事実を叔母が亡くなった後に知らされた。このデイ・ドリーム・ビリーバーはその二人の母に向けて歌ったもの、と僕は認識している。

この曲はセブンイレブンのCMに使われて一躍有名になった印象があるが、もともと普通に知られてた曲だった。僕だって高校生の頃、一時期毎日聴いていた。このエピソードに胸に打たれながら。

しかし現代において、曲は有名になっても作者の想いまでは知れ渡ってはいない。それが僕には歯痒い。

そんなことを寝室のamazon echoでこの曲をリピート再生しながら考えていた。すると、いや妻が「お、珍しいの聴いてるねぇ」と入ってきたので、この歯痒い気持ちを話してみた。妻もこのエピソードは知らなかったということを認めつつ、こう切り出した。

「いや、それでいいんだよ。この詞を書いた清志郎さんだって、そんな個人的な想いまで伝わって欲しいなんて書いていないよ。アーティストは想いを込めて書いた。そして作品という結果が広く知れ渡り、色んな解釈をしてもらった。それでいいんだよ。むしろ音楽というアートにおいてはそれが正しい。そんな裏エピソードみたいなもんは知る人ぞ知る程度でいいのだよ」

「だがしかし」

「あなただって撮った写真の細かい意図まで汲み取って欲しいなんていちいち思わないでしょう?思ってるの?もしそうだとしたらまだまだ青いね。少なくとも私はそんな押し付けがましい写真は見たくないね」

「ぐぬぬ」

まぁ確かにそうではある。僕もinstagramをガチでやってる人などでたまに見る、押し付けがましい写真、言い訳じみた写真、いちいち文章で補足までする写真なんて好きじゃない。そんなもん見る方からしたら知ったこっちゃねーよってなもんである。

だがしかし、そうはわかっていても、何だかまた言い負かされた気がして僕の歯軋りが止まらないのも確かなのだ。仕方ないから今夜もデイ・ドリーム・ビリーバーを聴こう。

それにしても・・・

原詞の「And a homecoming queen」を「そんで彼女はクイーン」と日本語にした忌野清志郎、いや、ZERRYはやはり天才だったのだ。

追伸:↑のアルバムを見ると、タイマーズだけではなく、RCサクセションを含め、たくさんの曲が忌野清志郎名義でリリースされてますね。

ということはあのラジオのパーソナリティは間違ってなかったんでしょう。ごめんね。

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