あの日あのとき見たおばあさん

不思議な話

今日みたいな連休と連休の狭間の日は、まぁワタシもヒマでしてね。

というのも、日々お客さんが必要としているモノを調達し、それをお届けするのがワタシの商売なんですけれども、その肝心の仕入先メーカーなどは今日あたりすでに休みなんですよ。それこそ9連休とかなの。

かといってお客さん方が業務を行っている以上、ウチも簡単に休みますとかは出来ないもんでしてね。

とはいえ本日配達する分は午前中に早々と済ませてしまったもので、まぁこんなときこそ先々のことを踏まえてやっておけばいいことが公私含め無くは無いのですが、結局いまいちやる気が起こらず、午後からはPCの前でダラダラと遊んでいるというのが現状のワタシです。いわゆる電話番ね。

だから本日2本目のブログ投稿とか出来るんだな、これが。

夏が来れば思い出す

この時期、ある道を配達しているとどうしても思い出すことがあります。今日の午前中もそこを通ったときに思い出しました。

あれは10年、いや、結婚する前だからもっと前の話ですね。その日も今日と同じような天気で、曇り空の下、雨が振ったり止んだりしてたと思います。ただ、もっと蒸し暑い日でした。

僕は荷台に少々大きい荷物を積んでいる軽トラを配達先である西方向へ走らせていたのですが、そのとき左側の歩道スペースを、腰を曲げて歩く一人のおばあさんが見えました。

「なんでこんなところを歩いているんだ?」

もちろん普通の町中であればそんなことを思うはずはありません。つまりそう思ってしまうほど、ここは辺りに何も無いだだっ広いだけの道でした。この先進んでいけば集落があるにはあるのですが、ほんの少し歩けばというレベルではありません。

「あれ?まさかあのばあさん、徘徊老人じゃないだろうな」

というのも、僕が19まで一緒に住んでいた父方のおばあさんも晩年そういう徘徊癖があり、2度ほど親切な方に自宅まで送って頂いたことがありました。

聞くと、普通では考えられないところで声を掛けてもらっており、そもそもいったいどのようにしてそんなとこまで歩いていったのか最後までわからずじまい。

僕はクルマをUターンさせ声を掛けてみることにしました。ひょっとしたら何かのリハビリのために歩いているだけかもしれません。それでも万が一何かが起こってしまったあとに後悔するのが嫌なので、そこは一応確認だけしてみようと。

ところがおばあさんがいません。

そんなバカな、と僕は思いました。なぜなら僕が見掛けてからUターンしてここに戻ってくるまでほんの十数秒程度です。その間、僕とすれ違ったり追い越していったクルマは皆無だし、もちろん辺りに民家はありません。

僕はクルマを降りてしばらく田んぼ付近を捜しました。ひょっとして用水路にでも落ちちゃったかもしれないと思ったからです。しかしそんな様子はありませんでした。

その後クルマに戻った僕ですが、やけに心臓がドキドキしたあの感覚を今でも覚えています。

この話にオチはありません。結局、あの日見たおばあさんはいったい何だったのだろうか?十数年経った今でもわからずじまいです。

ということで

僕も50年近く生きているおっさんですから、それなりに不思議体験のひとつやふたつ経験があります。

それでもそのほとんどは何となく理由付けが出来そうなのばかりです。状況からくる思い込みとか異常な疲労とかね。でも、今回の話だけはちょっと自分自身に説明することが出来ません。

十数年経った今でもあの通りは今でも僕の配達ルートのひとつです。何百回も通っている道ですが、あれ以来おばあさんはみていません。