冬の晴れ間と1960年生まれのレンズ

W.ROKKOR-QE35mm F4.

先週あたりからちょっと体調を崩していた。せきが少し出る程度でそんな大げさなものでは無く、除雪機を使ったときにパウダースノーを全身に浴びてしまいそのままにしておいたのが祟ったのであろう。ちょっと風邪っぽくなっていた。

それも昨日あたりにはほぼ全快した。だが、少し疲れていたのかもしれない。今日の祝日はほぼ一日中、自宅のソファで過ごし、少し寝ては起きてを繰り返した。

本当はやらなければいけないことがわりとある。卒業記念のムービーは仕上げなきゃいけないし、祝賀会で上映するムービーも手をつけていない。僕が編集長を務める最後の広報紙の原稿も仕上げなきゃいけないし、三月初めに行われるスポ少の6年生を送る会の進行も考えなきゃいけない。

でも、全部後回しにしてきた。だって2月の寒い時期に旅立ち関係の創作意欲なんて湧くはずがないではないか。こういうのはクルマの運転中のラジオ番組で卒業ナンバー特集なんかが組まれたあたりから手掛けるのがちょうどいいのだ。

そんなことを何度目かの昼寝から目覚めた頭で考えていた。ふと窓の外に目をやると、世界はすっかり春めいた光に照らされていた。

ちょっと焦ってきた。もしかするともう冬は終わってしまったのかもしれない。これから何度か寒い日はやってくるだろうが、それはもはや春にしては寒い日だねということになり、ベースはもはや春なのかもしれない。

「よし、明日から頑張ろう。今日はコンビニでコーヒーを買った帰りに写真を撮って過ごそう」

久しぶりに古いレンズで撮りたいなと思った。ミノルタのW.ROKKOR-QE 35mm F4にしよう。1960年頃のレンズだからずいぶん古い。でも、今日はそういう描写が欲しい気分だ。写真は何が何でもきっちりかっちり写ればいいというものでは無い。少なくとも僕にとってはそうなのだ。

妻と息子に声を掛けると一緒に行くというので連れ立った。クルマの中から見る外は本当に春だ。このまま冬は戻らないかもしれない。

いつものコンビニでアイスコーヒーを買い日和山公園に寄った。散歩してる人達、サッカーをする少年、何かを見つめてる大人。たくさんの人がそれぞれの休日を楽しんでいるようだ。

ここの公園の桜ももう2か月もすれば満開の姿を見せる。また今年も春が来る。僕らにとってはいつもの春とは少し違って、いろいろと節目を迎える春だ。

もちろんいろいろなことが変わってくるだろう。変わらないものなんてない。そうだからこそ僕らは写真を撮るのだ。毎日が同じことの繰り返しなら、きっと写真を撮る意味なんて無いのだから。

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