【日産ティアナ】桜の季節、ゆったりセダン

クルマ

中古のセダンを買った。僕の生活の新しい相棒だ。名をティアナという。すでに生産終了した日産のシリーズで、僕のは2代目のJ32という型式。

「次のクルマはセダンにしよう」とは思っていた。前のクルマを買うときは子どもと一緒に出掛ける機会が増えることを想定してたから営業の方にミニヴァンを勧められた。けれども振り返ると結果的にひとりっ子だったので特にそうである必要はなかった。ただ、電動スライドドアはとても便利だったし、全高があるおかげでチャイルドシートの着用時期はとても助かった。間違いなく僕らの子育てのサポートに役立ってくれたクルマだった。

そのクルマは20万キロを超えたが、本当のところ11年目の車検は通そうと思っていた。そして息子が中学を卒業する13年目の車検時にセダンに買い替える…可能であるなら頑張ってスカイラインにするという脳内プランだった。けれども11年目を通せなかった。大きな修理を頑張ってこなしても、またすぐに大きな修理箇所が現れるというのが古いクルマ、いや、古い機械ののパターンだからだ。

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突然のクルマ選び

そういう理由で、何となくではあるが「いつかはスカイラインに乗りたいな。400Rとか最高だろうな」と思っていた野望が突然狂った。いつかは…なんて悠長な話では無く、今の暮らしに必要なクルマをすぐに選ばなきゃいけなくなった。

とりあえず今の自分の生活を見つめ直し、必要な条件を考えた。

  • 最低5年、可能であれば7年乗りたい。
  • 仕事、プライベート兼用だから年間2万2千キロ程度走るので中古を乗り潰す方が予算的にも現実的。
  • 息子の遠征付き添いも多いので、それらの運転をなるべく楽にこなしたい。

必然的に…というか心の奥底ではすでに「セダンに乗りたい」という欲望があったので、👆のような理由をずらずら並べ自分に言い聞かせた。

始めは同じ日産のシルフィの低走行車の方にしようと思ったが、ティアナがあまりにも僕の理想にぴったりだったのでこちらを選んだ。

ゆったりセダン

納車から5日経った。あまりにも自分の理想にピタっと当てはまってびっくりしている。僕は着る物や乗るクルマは保守的な好みをしているのでルックスも気に入った。

不思議なもので、僕はクイックなハンドリングだったり、コーナーでの回頭性能だったり、アクセルに対するエンジンのツキだったり、とにかくそれらに長けているものがいわゆる「楽しいクルマ&運転の楽しみ」だと思っていた。例えば過去に乗っていたユーノスロードスターのコーナーリングやクイックシフト、R32スカイラインの直列6気筒エンジンなどの要素がそうだ。

このティアナにはそういった要素はない。V型6気筒エンジンの音こそ気持ちいいが、だからといってもっと踏み込みたくなるといった誘惑は無い。

だが、それが非常に心地いいのだ。

前輪駆動がもたらす広い室内、モダンな内装、まったりフィールのCVT。燃費は良くも悪くもなく実用性が高くて趣味性は少ない。だが「クルマなんて正しく動いてくれるのが一番なんだ」とうそぶく僕に「これは少し贅沢なクルマなんですよ」とどこかささやいてくるボディが大きいオヤジセダン。

刺激こそないが、いつまでも浸かっていたいぬるま湯のような心地よさがある不思議な感覚。このクルマなら一日1000キロでも走っていられる気がする。これはまさに今の自分の生活にぴったりなクルマが来たなぁとつくづく感じた次第である。

繋がっている

じつは納車の夜から毎晩のように小時間のドライブに出ている。こんなことは前車では無かったことだ。

あるときふと考えた。

僕の目の前の道はどこまでも続いている。例えばこの道をずっと辿れば青森県や鹿児島県まで着くし、このままひと晩走り続けて南下すれば夜明けの首都高を走ることだって可能だ。

考えてみれば、これってすごいことではなかろうか。僕らはクルマやバイクを所持することで、その気になれば自らの運転によりいつだって己の生活圏内から逃げ出すことが出来るのだ。まさにこれは非常口と呼ぶべきもの。

もちろん僕は今の生活から逃げ出す理由なんて無い。特に逃げ出したいとも思わない。ただ、たまに毎日、毎週、毎月、毎年、似たような時間を過ごしていると、何となく自分の世界はこのサイクルの中にだけ存在するという錯覚に陥ることが無いとは言えない。

今回このゆったりとした大型セダンが僕に気づかせてくれたものは大きい。たまに自分の世界が狭まった感覚に陥ったら、のんびりと知らない町まで走ってリフレッシュしようと思う。

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