今日は立冬らしい。それに合わせたようにこの町も朝から肌寒い空気に包まれ、そして冷たい風が吹いているし、運転中に聴いたラジオのニュースでは山越えルートは少し雪が降っていて路面凍結の恐れがあるから気をつけろと言っていた。
今年も冬が来る。そして天候的に少し厳しい冬になるかもしれないという予報だ。
僕にとって自宅兼事務所前の除雪はやや死活問題である。家族に高齢者がいること、来客があること、通学路であることが主な理由で、だから冬になると天気をいつも気にしているのだが、気象庁の長期予報で降雪量が「平均並みかやや多い」という予報はあまり聞いたことが無いからこういった場合、だいたい体感的にはすごく多くなるといったイメージだ。弱ったな。何か楽しみを見出さねばならない。僕は先に楽しみがないと生きていけない人間なのだ。
あ、そうだ。古着のコートを1着買ってあったんだった。あれを着ることが楽しみだ。
そのコートはローデンコートと言って、日本ではあまりポピュラーなものではないんだけど、ヨーロッパ…とくにイタリア北部では定番らしい。ま、そのことは実際に着たら書こうと思う。
そもそも冬は嫌いじゃない。食べ物は美味しいし、冬の洋服も好きだし、年末年始の雰囲気なんて1年で一番好きである。唯一、除雪が嫌いだったのだが、それも3年前に小さな除雪機を導入したおかげでだいぶ労働がマシになった。
だから冬は大歓迎なはずなのだが、悲しいかな、正直言って近年寒さが苦手になってきたのだ。ほんの数年前までは半袖Tシャツにダウンジャケットを着て居酒屋に行って、そのまま酔っ払って半袖姿で飲み食いしてたのに、去年あたりはシャツにセーター、その上からコートにマフラーを捲いて、下はコーデュロイパンツにズボン下まで履いている。これはいったいなんなんだろうか。老化なのだろうか。
でもまぁ仕方ないではないか。老いるというのは自然現象だ。そもそもニッポン人は老いるということにネガティブな印象を持ち過ぎているのだ。
そうか。わかったぞ。老い=恥という図式にした方が得する奴がいるんだな。冗談じゃない。俺は恥じないぞ。騙されるもんか。俺は堂々とズボン下を履きつつローデンコートを着て、寒さと共に堂々と老いていくことにするぞ。北欧のイカしたじっちゃんたちのように。