ヒグラシの声と夏の空

散文的日常記録

中学生の息子の夏休みが今日からスタートした。例年だと7月下旬から8月下旬までなのだが、昨年の残暑の影響を考慮したのか一週間後ろにズレた。8月1日から夏休みなんてまるで都会の子のようである。

自分が中学二年生だったときの夏休みを思い出してみる。

午前中は毎日のように剣道部の練習に行き、帰ってきてからは部の仲間と街へ遊びに行くか、もしくはずっと高校野球をみるか本を読んで過ごし、夜はプロ野球をみて、そのあとは部屋でラジオを聴き、23時になるとまたテレビの前に行って熱闘甲子園を毎晩みていた。

たぶん田舎の中学生なんて似たような過ごし方だったと思う。今と違って娯楽が分散していないから、友達と話す話題には事欠かなかった。甲子園の優勝チームの予想や、巨人が首位に何ゲーム差つけられたかとか、三宅裕司のラジオで流れたチェッカーズの新曲などについて話した。

とはいうものの「今の子は・・・」というほど現代の中学生の過ごし方だってたいして変わりはない。

息子は今年も朝日新聞社が発行する甲子園特集号を買ってくれというし、普通に剣道の練習もあるし、友達と遊びに出掛けることもあるだろう。ただ、当時の僕らにとっての娯楽道具だったテレビやラジオが彼らにはスマートフォンになっただけである。

だから言われているほどそんなに変わったことなんてないのだ。なんなら気温だってそんなに変わってはいない。去年は確かに異常に高温だったが、その前の年の2022年と1986年では、ここ山形県酒田市に限っては驚くほどの変化はない。

1986年8月の山形県酒田市

2022年8月の山形県酒田市

つまりいつの時代も夏は暑くて空はバカみたいに青く、そしてヒグラシの鳴き声は我々をしみじみとさせるのだ。

本日東北地方も梅雨が明けた。いよいよ本格的な夏到来である。

あの夏、子どもだった僕はペプシコーラを求めて駄菓子屋にチャリで向かった。今日はビールを求めて近所の居酒屋へ歩いていこう。あの頃の大人と同じように。

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