日本には四季がある。当たり前のことであるが、ほんの10年ほど前の自分はそれを意識して過ごしてきたとは思えない。
季節の移ろいを意識するようになったのは、僕の趣味が日常的なスナップ写真を撮ることになってからだ。スナップ写真において『自然光』の存在こそが全てだ。そして自然光は季節によって変化する。ということは撮れる写真も変わるということである。
それに気づいた僕は季節の変化というものを楽しめるようになった。そしてもっと気づいたのは季節の流れは追うよりも迎え撃つ意識の方がもっと楽しいということだ。
今日は9月4日。今朝はずいぶん爽やかな秋の風を感じた。天気予報を確認すると、この先は馬鹿みたいに暑い日は無さそうだ。それを確認して、この夏お世話になったリネン素材の洋服やローファーを倉庫のマイ衣装スペースに引っ込め、代わりに綿素材のシャツやスラックス、そしてプレーントゥの短靴やスエードブーツなどを出してきたのだった。
もちろん秋だからといってリネンシャツやローファーがいけないということではない。だけどせっかくならばその季節に最もふさわしい素材を身に着けて毎日を楽しみたい。春秋はコットンを、冬はウールを、そして夏はリネンといったふうに。
結局、今日は最高気温が32度まで上がった。季節は秋だが気温は夏である。だけどこれでいい。気温は高くとも、空に浮かぶや自然光はとっくに秋なのだ。少しくらいの熱さは我慢して、明日からはコットンの白いオックスフォードシャツやネイビーのスラックスを身に着けて季節を迎えようと思う。
そして、午後からは馴染みの梨農家さんへ宝石のような刈屋梨を買いに行った。僕にとってはこれがないと秋もへったくれもないから、無事入手出来てよかったと思う。
さぁ。季節はどんどん進んでいく。




