己の筋肉のみが信じるに値する

備忘録

みなさんご周知のとおり、14年前の本日3月11日の14時46分、日本を未曽有の大災害が襲いました。

あの日は金曜日。当時やっていたロックンロールバンドのスタジオリハーサルもちょうど毎週金曜夜に行っていたので「電気も復旧しないし今日は無理だね」ということで中止。

ただ、僕は東北地方に住んでいますが日本海側なのでどこか呑気でした。もちろん町中から電気と食料が消えてとても不便でしたが、「そのうち復旧するだろう。こうなったら少しでも非日常を楽しむしかないよね」といった感じで。

というのも当時の僕の環境では電気無しではテレビを見ることが出来なかったため、視覚情報が無かったからですね。ラジオは聴いてましたが「太平洋側は大変そうだなぁ」と当事者意識が今一つ湧きません。それが一変したのは「さて、やること無いしさっさと寝てしまおう」と親子3人でベッドに入った時にラジオで流れた仙台市若林区の被害状況でした。

後々これは誤報と発表されましたが、このニュースを聴いたときに初めて「これはちょっとやそっとの災害ではないぞ」と気分がサーっと下がっていったのを覚えています。

それからしばらく非日常が続きます。ウチは商売してるのでまず物流の悪化は大打撃でした。そしてガソリンが無いので必要最低限しか外出できないことも痛い。プライベートでは何より生まれて三ヶ月の子がいたので粉ミルクや紙おむつが品薄になったのが厳しかったですね。

ですが一番衝撃だったのは福島第一原発が爆発した映像を見たときです。僕はチェルノブイリの事故も知ってる世代ですから、あの瞬間、もうこの国は無理なんじゃないか。少なくともこの地で子育てなんて不可能なのでは?と痛烈に感じたのを思い出します。

電気こそ24時間で復旧しましたが、それから一ヶ月ほどの非日常はきつかったですね。物流不安定、品薄、そして放射線漏れに対する数々の噂やフェイクニュース。それらのストレスにやられた当時の僕は何故か筋トレを始めました。恐らく自分の中の防衛本能が来たるサバイバルの時代を予感して「これからは強いフィジカルとメンタルを持つものが生き残る」と指令を出したのかもしれません。

結局だんだんと日常が戻るにしたがってめんどくさくてやめてしまうんですがね。ですが、何かに駆り立てるように「鍛えなければならない」と痛烈に感じたのは後にも先にもあの震災後一ヶ月の期間しかありません。

で、あれから14年経って僕は来たる氷河期に備えて脂肪を溜め込む生活となり、代わりにあのとき生後三ヶ月だった息子が何かに駆り立てられるかのように身体を鍛えています。経緯は以前の記事を参照。

最近は懸垂にハマってます。一ヶ月前に買ってあげたものですが、最初は1回も出来ませんでした。正確には何度か上げ下げできたのですが全て腕力のみの間違ったやり方だったので、きちんと背中を使うフォームを教えたら無理でした。

それが現在4回ほどは出来るようになってきました。本人も回数が伸びてきたのが面白くなって来たみたいでいい傾向です。

懸垂はいいですよ。自重トレーニングでは最強なんじゃないですかね。ぜひ、みなさんも懸垂マシンを買って来たるサバイバルの時代に備えておきましょう。

おれ?いや、おれは一度も出来ません。でも、ぶら下がってるだけで気持ちいいので重宝してます。

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