さっき外回り中に聴いていたラジオドラマが面白かった。東京で働くお父さんが、年も年だし親も年だしここらで自らの出身地である鳥取に移住しようと妻を説得するが、全く理解してもらえないという話だった。
もちろん田舎という言い回しは物語の舞台が鳥取というだけで、全国の都市部以外の地域は全てこれに当てはまるし、もちろん僕が住んでいる山形県酒田市もそうだ。
「あんなところ何もない」
「四六時中監視されてるようで息が詰まる」
作中で妻が呟くこういったセリフは恐らく事実だろう。
僕は若い頃から自己満足が服を着て歩いてるようなタイプだから、例えどこにいっても自分なりのささやかな楽しみを見つけることが出来る自信があるが、事細かに遊ぶ環境を提供されないと楽しめない人々にとっては田舎はなかなかキツイのはわかる。
それに他人の生活が気になって仕方がないおばさんが一定数存在するのが田舎だ。例えば先月、ウチの駐車場に僕のクルマがしばらく無くなった時期があった。
乗り換えのタイミングが合わずたまたまそうなってしまったのだが、そのあいだにウチの家族にクルマの所在を詮索してくる人間がいた。
常人からすればどうでもいいことだと思うのだが、そういったことが気になる体質の人間が多いのが田舎だ。恐らくヒマがそうさせるのだろう。
まぁ都会がいいとか田舎が悪いとかそういったことを話し出すとキリがないのでやめよう。ただなんとなく遊ぶところを求めて都会に出ればそれはキツイだろうし、自然豊かだとかいって田舎に住めばそれもまたキツイだろう。要はそこでしかやれないことがあるなら腰を据えてやるべきだから移住した方がいいよねってだけの話である。
ところで僕はといえば田舎暮らしが気に入っている。
例えば昨日の夕焼けはキレイだった。キレイだったので夕飯を終えたあと親子3人で土手までドライブして夕焼けを背景にクルマの写真を撮り、帰りに自販機で100円のジュースを買って帰った。
たった30分間の出来事だったが、3人で撮った写真を見せ合いながら気持ちよく一日を終えることが出来た。
僕はこういう暮らしでいいのである。