毎朝メリケンサック

散文的日常記録

昨日川崎市の登戸で起きた事件をニュースで見た小3のせがれが真剣な顔で聞いてきた。

「父ちゃん、北斗神拳はどこへ行けば習えるのだ?」

あの凄惨な出来事は小学生の彼の心に怒りと恐怖を植えつけた。

僕の寝室には木刀とメリケンサックが備えてある。事務所には50センチほどの鉄棒を磨きあげテーピングした自作武器が置いてある。どちらも強盗対策のためだ。さっき思わずそれらを集めて眺めた。

今日になって事件の詳細が報道で伝わってくる。聞けば聞くほど今回の事件はどうしても防ぐことが出来なかった気がしてくる。

だが、それでは我々の負けなのだ。「こういうことは防げない」と思ってはならない。これからも屈せず全力でゼロにしにいく姿勢を、良からぬことを考える奴らにみんなで見せつけていかなければいけない。

僕は毎朝息子が登校する時間に一緒に玄関を出る。そして10メートルほど先の横断歩道を渡りきるまで見送っている。

これは入学からずっと行っていることで、もともとはここの交差点が日頃からクルマ同士の事故が多いから始めたことだ。

3年生にもなったしそろそろいいかな、と思っていたのだが、昨日の事件を見てから息子に「恥ずかしいから勘弁してくれ」と言われるまで続けようと決めた。

これまでは交通安全のためだったが防犯意識も加わった。「ここの通りは、毎朝あそこの家の親父が気合いを撒き散らしながら出てくるのが当たり前」ということにする。

そして、その目つきが悪くてごつい親父は、護身用として右手にメリケンサックをはめている。

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