昔も夏は暑かったはずなのに

剣道

僕は中学生剣士の保護者でありますが、僕自身も一応高校生のときまで竹刀を振ってたものですから、指導者先生が都合で来れないときなど練習管理を任されることがあります。

今夜もそうです。ええ、暑いですとも。19時からなので、西日でたっぷりと温められた体育館でやるわけですからたまったもんじゃありません。

「よっしゃ、こういった過酷な環境こそ心身の鍛錬にはふさわしい」

…なんて、僕はこれっぽっちも思いません。僕も小学生のとき、ちょうど今頃(8月上旬)、暑中稽古とかいうそれこそ西日に照らされた体育館で16時から一週間毎日剣道をやりました。しかも昔は練習中に水を飲んではいけない&面を外して汗を拭いてはいけないという謎理論がまかり通った時代ですから、練習中は本当に地獄絵図でした。

礼をすれば床に自分の汗がボタボタっと落ちる。

体当たりすれば面越しにお互いの汗を浴びる。

最後の挨拶をしたあと、毎日水飲み場に向かって激しいダッシュ争いが繰り広げられるが、結局「6年生が先だ」の一言で締められる。

そういったことは今になって笑い話的な思い出にはなってますが、それで何か僕が人間的にプラスになったのかと問われればそんなこともありません。

ですので、僕は今の子どもたちにそういったことを求めません。もちろん個々の限界を突破するにはそういう根性という名のスピリッツは今も昔も不可欠ですが、それはそういう練習メニューを組み込めばいいだけなので、わざわざ練習環境を悪化させて育てるものでは無いと思っています。

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今は暑い?

で、もうひとつ。今の子たちに自分が子どもの頃と同じことを求めない理由は「現代の暑さは昔と違う」と思っていたからです。

でも、違うんですね。さっき息子と同じ時期、つまり僕が中学一年生だった1985年の酒田市の気温を調べてみました。ご覧いただければわかると思いますが、下手すれば最高気温も平均気温も現代より暑い8月ですよ。

1985年8月の酒田市の気温

ちなみに昨年のデータもご覧あれ。

2022年8月の酒田市の気温

こうやってみるとむしろ去年は暑くない夏だったように感じますね。

ただし、これは東北地方南部の日本海沿いの町である山形県酒田市の話なんですよね。都市部だとヒートアイランド現象もあるので、まるで違う話になるかもしれません。そのへんはご自身で調べてみてください。

なぜ、熱中症が増えたのか?

僕の個人的な見解ですけど、近年、熱中症が増えたのはエアコンの普及で真夏の暮らし方を日本人が忘れちゃったこともあるんじゃないかと。

このあいだ、とある飲み会のあとに30分くらいおっさん4人で歩いて帰ったんですけど、そのときふと思ったんですよ。

「真夏の夜なのにシーンとしてる」

昔もこうやって夏の夜を歩く機会ってたくさんありましたが、だいたいガヤガヤしてなかったですか?プロ野球中継の音とか生活音とか、ほとんどの家が21時くらいだと窓を開けっぱなしにしてるから外に聞こえてたんですよね。

それと服装ですね。昔はランニングにステテコ姿で夕涼みがてら歩いてるおっさんとか、ほとんど裸みたいなカッコで遊んでる少年とか普通に見かけましたもんね。打ち水だったり、夏の食べ物もそうですよね。みんながみんな夏を乗り切る知恵を振り絞って過ごしてましたよね。

いや、もちろん家中にエアコンがある現代の方が全然いいんですよ。ただ、何らかの理由でそのエアコンのスイッチをオンにしなかったとき、もしくはエアコンが無い環境での活動になってしまったときに、夏をその他の季節のように過ごしてしまっていた現代人はいきなりまいってしまうんじゃないかなと思います。

とはいうものの

僕だってもはや昔の夏の暮らしになんて戻りたくないです。今どきランニングにステテコなんぞでフラフラ歩いてたら通報されるかもしれないし。

ですのでね、最初の話に戻りますが、僕は絶対に子どもたちに昔のような練習をさせません。

というかね、今の子どもたちって頑張るんですよ。少なくとも僕が普段見てる子どもたちはそうです。僕らが子どもの頃なんかより頑張る奴が多い。

僕らなんて、やはりそういう過酷な練習の時にはうまくごまかしてましたもん。先生の死角に入ってうまくサボったりしてましたからね。そういうのも夏を乗り切る知恵だったんですよ。

ということでね。常々からスポーツ時における大人や保護者の役目って、僕は制御、つまりブレーキだと思ってますんでね。そこは今夜もしっかりと目を光らせておきたいと思っております。

ではまた。

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