50にしてちょっと強くなる

剣道

ここ山形県酒田市も今年の夏は暑い。8月も半分は最高気温35度を超える猛暑日であり、そしてそんな暑さも天気予報を見るとまだ続きそうだ。

まさにエンドレス・サマーである。

そんな中、今日は小学生の剣道大会が行われ、イチOBとして応援に行ってきた。高学年の子が少なくて比較的若いチームであるが、団体&個人ともになかなかの好成績で、特に3,4年生の部の個人戦では男女ともにうちの子たちが優勝した。最近、僕は中学校だけでなく小学校の練習にも防具を持って顔を出しているので、先生でも保護者でもない僕でも正直言ってこの結果は嬉しかった。

それにしても、昨日は中学校の部活で一緒に汗を流し、今日は小学生の応援なんて、僕はこんなに剣道が好きだったのかなと考える。いや、たぶん正確には剣道を通して子どもたちと接するのが好きなんだろう。

ただ、昨日中学生と地稽古(実戦練習)をやってて気づいたのだが、僕は最近ちょっと強くなったと思う。というのも、たまたまかもしれないが面白いように昨日は中学生たちの先(せん)が取れたのだ。

「先を取る」というのはいわゆる機先を制すの意味でそのためには洞察力が必要となる。剣道には「一眼二足三胆四力」という教えがあって、一番重要なのは洞察力、二番目は足さばき、三番目は強い心、そして四番目に身体能力という意味だが、この一眼の部分が50にしてちょっと強くなった実感があるのだ。

これはちょっと面白いかもしれない。運動において、50歳にして自分の成長を実感できることなんてそんなにあるものじゃないからだ。こうやって人は剣道にハマっていくのだろうか。

いずれにしても、僕は息子を含む小中学生の剣士たちと接するのが楽しいので、今のスタイルはしばらく続けようと思っている。他に全く運動をしない僕の健康にとってもプラスにはなるんじゃないだろうか。

そういえば今日の大会中、ちびっこ剣士とこういう会話をした。

「ねぇ?僕って才能ある?」

「いや、それはわかんねぇな」

「なんで?先生でしょ?」

「才能がある子か無い子かなんて、そいつがとことん一生懸命やったあとにしか誰もわかんないぞ」

「えー」

「だから余計なこと考えないで一生懸命やってろ」

僕は先生でもなんでもないが、恐らくこれは真実だと思っている。つまり子どもたちにとって一番重要なのは剣道が好きかどうかだけだ。

好きであってほしい。そして一生懸命やって欲しい。

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