竹刀を組み立てながら考える

剣道

最近、息子たちと剣道をするのが本当に楽しい。「たち」というのは道場の中でも常に大会に出ている連中のことだ。

前々から指導者の先生方が都合がつかないときなどは、僕がサポートとして一緒に汗を流しながらコーチングをしてはいたのだが、ここのところレギュラーメンバーの指導を完全に任される日が増えてきた。そんなときは本当に楽しい。あまりにも楽しくて最近は週に3度も稽古に参加している。

何がそんなに楽しいんだろうと考えてみた。それはやはり剣を交えたり身体をぶつけ合うことで、「もっと強くなりたい」「もっと上手になりたい」という気持ちがダイレクトに伝わってくるからだ。

じつは先月から中学の剣道部にも顔を出している。その中には中学から剣道を始めたばかりの一年生が二人いるのだが、彼らもしっかり剣道と向き合いながら竹刀を振っている。その証拠に、とても半年の経験とは思えないほどの上達ぶりだ。

向上心を持っている若者は美しい。微力ながら、そんな連中の手助けになれることが本当に嬉しく思う。

さて、僕の息子であるが、ようやく最近竹刀を簡単に壊すことがなくなってきた。

もちろん竹刀なんて消耗品だから使ってれば壊れるのだが、6年生前半辺りまでは明らかに腕の力で引っぱたくような打突だったから、必然的に竹刀を壊している感があった。昔から竹刀をすぐ壊すやつは下手くそと相場が決まっている。

左ひじを持ち上げ、右腕の力で押し込まず、剣先が相手のメンに当たる手前で絞る。まだまだだが、少しずつこういったメン打ちが試合の中で見れるようになってきたのはいいことだ。こういった打ちはメンにしろコテにしろ、相手は痛みを感じずスコーンと抜かれたような感覚になるはずだ。

…なんてことを考えながら、息子の竹刀をバラし、壊れた竹を抜き出して、壊れていない竹と交換し、また組み立てた。買ったまままだ壊れていない竹刀は今後の大会用竹刀として2本保管させ、今回僕が組み立てた3本の竹刀を今後の練習用として使うように指示した。

今がまだ5年生なら新しいのを買い与えてもいいのだが、彼は3月で小学生剣道が終わる。中学生になれば竹刀のサイズが変わるのだ。だから今、3本も4本も買うのはちょっともったいない。今回組み立てた練習用の3本中2本が壊れたら1本新しいのを買えばいいかな、と思う。

それにしても…息子の竹刀を組み立てることすら僕は楽しくて仕方が無かった。思えば竹刀の組み立て方なんて先生から聞いたことは無い。全部、中学の時に一つ上の先輩たちが教えてくれたこと。

午前中の部活が終わった後、「オガー、今日竹刀買いに行くから付き合えよ」とT先輩に誘われ、一緒に近所の武道具店までチャリを走らせた。

T先輩は組み立てられたセット品を買わず、4本の竹だけを買い、そのまま自宅で組み立てるのを見せてもらった。そのとき僕は竹刀の組み立て方を教えてもらったのだった。

懐かしいな。T先輩、元気でやってるだろうか。

 

 

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