小6の息子と過ごした夏

剣道

お盆休みが終わったり、高校野球の閉会式だったり、はたまた朝夕に秋の風を感じたりと、夏の終わりを実感することは人それぞれだとは思いますが、僕にとっての2022年夏は昨日行われた少年剣道地区大会で終わりました。

もちろんこのあとには10月の県大会という続きもあるし、特別竹刀を振ることばかりで過ごした夏だったというわけでも無いのですが、ただ、今年は『剣道』というひとつの競技を中心に小6の息子と過ごしてきたのは事実で、そのロードがひとまず終わったなというのが正直な気持ちです。

彼は昨日の男子個人戦決勝、幾度の延長戦の末、力尽きて敗れました。試合の直後、相手の選手がすぐに挨拶に来てくれ、お互いに深々と礼をし「中学でもやろう」と言葉を交わしていました。その二人の姿を傍らでみた僕は、親として、また専属コーチとして、この日に限っては何もアドバイスも慰めの言葉も必要なくなりました。

僕は剣道に関して日頃から言い訳や負け惜しみを口にすることを禁じています。「心の中で思ってるぶんにはいいが、それを口に出した瞬間、お前は人としてひとつ弱くなる」と話しています。それを気にしていたのかどうかわかりませんが、昨日は帰りの車の中でも明るく振る舞い、自宅に戻ってからは準優勝のトロフィーを祖父と祖母に誇らしげに見せていました。

僕は息子が剣道に打ち込むことに対して熱心です。出来る限りのことはやってあげたいと思っています。けれどもそれは競技者としてどんどん強くなってほしいとかそういうことではありません。結局は剣道を通じて心が豊かな人間になって欲しいからです。

上手下手、勝った負けたはさほど重要なことではない。心の底から本気でそう思っています。相手を敬う心、修行が出来ることへの感謝の気持ち。そういった部分が育まれなければ、せっかく武道をやることを選択した意味がありません。

この夏、彼はまた少し強くなれたと思います。息子の剣道に関わってくださる全ての人に感謝いたします。

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