多少程度のつらい経験はおいしい経験

ここ数日、ここ山形県酒田市はまるで2月の大寒波のような天候である。12月でこれはかなり珍しい。

昨日も朝から朝から荒れ狂った天気であったのだが、19時から剣道の稽古があった。自宅を出る前に「今日は最高の稽古日和だな!体育館の床の冷たさは痛いほどだぞ!」という僕の呟きが、妻にはピンと来なかったみたいだ。

さて、水曜夜といえば僕も初心者の子達にコーチをする日だが、案の定、練習前の子どもたちはとても寒がっていた。僕はといえばもちろん裸足で、しかも半そでTシャツ姿の僕に二年生の子が尋ねてきた。

「先生は寒くないんですか?」

「全然寒くないぞ。こんなもん身体動かして大きい声出せばすぐ暖かくなるぞ」

もちろん半分嘘ではある。外気温が0度前後状態での広々とした真冬の体育館なんて誰だって寒い。

けれども僕自身、子どもの頃に真冬の体育館で裸足で動き回った経験が何度もあるから全然平気なのである。

初めに「今日は最高の稽古になるぞ」と言ったのはそういう意味であり、『若い時の苦労は買ってもせよ』というほどのものではないが、とにかく多少程度のつらい体験は人の限界ラインをちょっとずつ広げてくれるものだ。

そういう意味でこの日彼らは最高の経験をした。この寒さの中、裸足でも身体が動かせることを知った。それに普段の生活において、例え寒さを感じることがあっても「あの日の剣道の稽古に比べれば」という基準が出来たのがとても大きいのである。

稽古後、最後の礼のあとの先生が「今日は寒さの中で稽古が出来ると思って喜んでたけど、思ってたほど寒くなかったね」とおっしゃった。

帰ってから妻が「あなたも先生も同じことを話してたけど、いったいどういう意味なの?さっぱりわかんない」と言うので上記のことを説明した。

「ふーん。なるほどね」

武道未経験者の彼女ではあるが、少しは納得できたみたいであった。

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