その昔、レンズ付フィルム(くれぐれも使い捨てカメラではない)写ルンですという商品が大ブームに・・・というか、写真を撮るならコレという時代がありました。80年代後半から90年代にかけての話。
当時、都内に住んでた僕なども、例えば友達数人とどこかへ遊びに行くと誰かが駅のキオスクで写ルンですを買い、それで一日を撮り、後日プリント写真をもらって割り勘で清算みたいなことを当たり前に経験してます。
その昔、一家に一台のカメラを使って記録写真を撮るのはお父さんの役目でした。それがこの写ルンですのヒットにより、お父さんもお母さんもお兄ちゃんもお姉ちゃんも写真を撮るようになり、そしてそういった層、つまり描写を含めたカメラ性能をあまり気にしない、いわゆる「とりあえず写ってさえいればOKじゃーん」といった人々に受け入れられたこの写ルンですは、その後、カメラ機能付携帯電話、そして現代ではスマートフォンにバトンを渡したのでありました。
ところが
数年前、再びこの写ルンですが若い人のあいだでちょっとしたブームになりました。
いろいろ理由は考えられます。ネガフィルムの独特の色合いはもちろん、撮影しても現像が上がるまで結果を見られないこと、コストが掛かるため一枚一枚を丁寧に撮ってしまうことなどが、それまでデジタルカメラしか経験がない方々にはとても新鮮だったのでしょう。
けれども僕が思うに、一番の理由はフィルムで撮った写真そのものが「どこか懐かしい」ことだと思います。それは我々世代だけではなく、若い人たちにとっても「おばあちゃんちのアルバムで見た写真」だったり、古い雑誌や映画で見たような描写を写ルンですで追体験出来る面白さだったのではないでしょうか?
そして
そんなワタクシも再び写ルンです体験を味わいたくなりました。
とはいっても、フィルムカメラは何台かあるので、今さらレンズ付フィルムを買うのは大変割高に感じます。
で、僕が手を出したのは、写ルンですのレンズを再利用して生産し、ミラーレスカメラに装着できるようにマウント加工したUtulens(ウツレンズ)という商品です。
その中でも僕が買ったのは焦点距離が広角タイプのWtulensというもの。僕の散歩用カメラに取り付けると25.5mmになるので記録的スナップにちょうどいい。
いざ装着
大げさな入れ物で到着しました。
左がマウントアダプター。右がWtulens。
組み合わせてみました。
デジタル写ルンですの完成。軽いし小さいし最高です。
ちなみに購入するときは自分のミラーレスカメラのマウント用を買わないと駄目よ。僕のはフジフィルムなのでXマウント用。
撮ってみた
なかなか天気が良くない日が続くんでアレですが。
なんとなく雰囲気は伝わりますかね。
海までドライブ。
絞りはF16固定。つまりピントあわせは必要なく適当にパシャパシャ出来る仕様です。
フラッシュを顔に直当てするのが写ルンですの真髄でございます。
なかなかいいんでないかい。
ということで
ここ数年、僕は毎日のように写真を撮って過ごしていますが、最近いい意味でラフに撮るようになりました。
というのも、以前はプライベートなスナップまでPCでRAW現像&修正してたんですが、それやってたらみんな似たような写真になるんですよ。きちんと水平取れてて露出も揃ってて被写体だけが違うという写真がずらりと並んだ様子って・・・それはもうつまんなくてね。
だから最近は学校の広報、または誰かに依頼されて撮るような写真はきちんとRAWで撮って現像までやりますけど、個人的なものは全部JPEGで撮ったまんま。特にフジフィルムのカメラが出す写真は独特ですので、どう転ぶか任せた方が後から見返して面白いから仕方ないっすね。なんといっても僕がやってるのはスナップ写真なんで。
ということで今回のWtulensも僕の日常スナップローテーションに加わりました。いやぁ写真って本当にいいもんですね。
ではまた。