キャッチボールじゃなくても

剣道

先週の道場の稽古日に防具を着た。

というのも、ここ最近一緒に練習をしているひよっこ三人組が、打ち込み用の人形を打ってるだけでは物足りないんじゃないかと感じたからだ。だから生身の人間を打たせてあげようと思った。

昨年のコロナ休校のとき、息子の運動不足解消も兼ねてグラウンドや自宅倉庫で毎日のようにコーチをしたが、あの時期は面を数度被っただけだったので、今回のように道着も袴も着込んだフル装備は本当に30年ぶりだ。

こんなに動きづらいものだったっけ?

こんなに視界が悪いんだっけ?

終始そんな感じだったが、何とかひよっこ達の練習を終え、その後息子と稽古をする時間があったのでやってみた。

試合形式の稽古にした。

奴はもっとひるむと思ったが、想定外にがんがん向かってきた。

それに速い。いや、速いというかストップからゴーまでのモーションが読みにくい。いわゆる「起こり」がわかりにくい。

とはいうものの、まだまだ負ける気はしない。だが僕は開始1分でスタミナが切れた。だから一本を取られる前に打ち切り、アドバイスをしてるふりをしつつ休んだ。

息子と勝負している1分間のあいだに、自分が小学生だった頃の仲間の剣士たちのことが脳裏に甦ってきた。そして次には、まるであの頃の自分と戦ってるような、妙な感覚になってきたのを覚えている。

僕は息子とキャッチボールをしたことがないし、サッカーボールをちょろっと蹴って遊んであげたくらいで、あまり一緒に運動をした記憶が無い。

でも、これから一緒に剣道をやれるというのはなかなか素敵なことだな、と思った。

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