ゴッドファーザーとツイードジャケット

服装

若い頃に聴いた音楽や読んだ本、観た映画がいまいちピンと来なかったのに、年齢を重ねてから心にグサっと刺さることがある。

僕の場合は映画「ゴッドファーザー」がそうで、若い頃、友達に薦められて観たときにはそりゃもう全然つまらなくて最初の30分を超えることが出来なかった。…とその友達に言ったら「いや、あの映画は40分くらいから面白くなるんだよ」と言われてたが、2度目も1時間ほど鑑賞したところでギブアップ。

あれから数十年が経過し、思うところがあり今年になって観なおしてみるとこれが本当に面白い…というか心の底から素晴らしい映画だと感じた。ただでさえ映画オンチでかつ2時間を超えるものが大の苦手な僕だったが、1本3時間ほどある本シリーズを三晩かけて一気に三部作全て観たほどだ。人間、今いる状況や立場が変わると感性も変わるんだなぁと痛感したものである。

そしてもうひとつが事務所倉庫2階の奥に眠っていた2着のツイードのジャケットである。

確か30代の頃に古着で買ったシロモノだが結局ほとんど着なかった。当時の僕にはサイズが大きかったというのもあるが、何よりあまりにも親父くさかったからだ。

当時はスーツでも私服でもジャストからスリム気味に着るのが世の中の主流だったと思う。だからこのサイズ大きめのツイード素材のジャケットをまるで短めのコートのようにに着るのがとてもためらった。だから事務所倉庫のダンボール行きとなったのだった。

ところが世の中も変わり…いや、僕自身の体型も見かけも変わった。何より正真正銘のおっさんになった。

じつは昨年50歳を過ぎたあたりから、僕は人生終盤に向けた自分のスタイル構築を意識している。少しでも若さが漂う服装を一切やめておっさんスタイル道を突き進むことに決めたのだが、だからこそもう一度仕舞いこんだツイードジャケットを引っ張り出してみたのだ。

悪くない。これは悪くないぞ。いわゆる女性にモテモテなファッションでは無いが、現在のおっさんスタイル道を突き進もうとする自分にはぴったりだと思った。

ゴッドファーザーとツイードジャケット。これからこの2つを胸に自分の中にある「イカしたジイさんを目指すプラン」を実現すべくこれからも研究を重ねようと思う。

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