よく洋服の謳い文句で「オンオフどちらでもいける」というのがあるが、近年の僕はそのオンオフの境目がほとんど無くなってきた。つまり平日と休日でそんなに着る物に区別が無くなってきたのだ。
もちろん平日の業務時に主張の強いものは着ないし、休日にビジネス的なネクタイを締めることも無いけれど、せいぜい素材や色が変わるだけで基本的にはジャケットにパンツ姿である。
これは自然にそうなったわけではなく数年前にそうしようと決めた。以前もどこかで書いたが、自分の顔や体型が老いてきているのに服装が20~30代のままだとカジュアルダウンを通り越した何ともならないシロモノになってしまう。若い人が無理にドレスアップすると七五三みたいになるのと同じ原理かもしれない。
だから50代に差し掛かる頃から服装をわりと小奇麗にすることでプラマイゼロにしようと決めたのだ。ストリートなスタイルは若い人に良く似合うから彼らにまかせておけばよろしい。
ということでもうそろそろ初夏である。初夏はオックスフォードシャツを着るのが大変心地よい。
オックスフォードシャツとは文字通りオックスフォードの生地で出来たシャツのことだが、一般的なドレスシャツ、つまりブロードシャツより通気性に優れ、また丈夫であるだけでなく保温性もあるためそれこそ僕は1年の中で1番多く着る。
僕は若い頃数か月間だけ服飾関係で働いたことがあるので、じつは生地うんぬんについては覚えさせられたぶんちょっとだけ知識があるのだが、当時はオックスフォードシャツなんて高価なもので、ラルフローレンやブルックスブラザーズのような、あくまでアメリカのトラッドファッション好きが好んで着るものであった。
だが現代はファストファッションの台頭のおかげで一般層にも定着した。ユニクロや無印良品のオックスフォードシャツなんてよくあの値段で出せるものだと感心する。僕も手持ちのオックスフォードシャツの8割はユニクロの物である。数枚をローテーションで4年近く着てるが捨てるまでいったものはまだ無いので大変ありがたい。
これを書いてる今も僕はサックスブルーのオックスフォードのボタンダウンシャツにコットンニットのベスト姿である。最近はほとんどこれなのでこのあいだ剣道部の連中に「安西先生みたいだ」と言われたが構いやしない。
7月になったらリネンシャツを着るから、とりあえず6月いっぱいはオックスフォードシャツを楽しもうと思う。