卒業、そして革靴。

服装

節目を迎える者にとっては3月はいろんなこととお別れする時期である。特に小学生なら保護者も同じだ。

町の送別会。

剣道スポ少の6年生を送る会。

ジュニアコーラスの定期演奏会。

そして、何より小学校からの卒業。

全て今月に行われてきたことだ。

剣道の方は、今週末の26日㈰に小学生最後の全国大会が控えていて、一泊二日で茨城県の水戸市へ行ってくる。だからまだ終わってはいないのだが、それでも後輩たちとの別れを惜しむ息子やその仲間の姿を見るとやはりジーンと来た。

しかしなんといっても小学校からの卒業だ。

僕はPTAの仕事で毎年卒業式に入っているから慣れているつもりではあったのだが、やはり我が子が中学の制服を来て堂々と入場してくる姿を見たときは、さすがに撮影中のカメラがぶれるところだった。ぶれなかったが。

ところで今回の卒業にあたり、僕は息子にストレートチップの革靴を一足買い与えた。昨年だったか話題になったGUが販売する廉価の革靴だ。

現代の中学生の登下校は学生服にスニーカーというのが当たり前らしい。息子もそれでいい。時代に合わせていけばいい。

だけど、ひとつだけ親のエゴを押し付けてすまないが、卒業式と入学式は革靴姿で一緒に歩いてほしいということをお願いした。そう伝えてGUの売り場へ向かった。

学生らしくローファーでも、タフに使えるポストマンでもよかったが、やはり最初の一足目はストレートチップを薦めた。サイズ的にも売れ残ってしまったのだろう。ただでさえ安いのにさらに半額以下になって1990円の値札がついていた。

家に帰ってとりあえず磨いた。僕は昔、古雑貨屋…今でいうちょっとしたアンティークショップみたいな店でバイトしてたので靴磨きは得意な方だ。クリームがなかなか染み込んでいかなくて苦労したが、それでも最後のワックス段階まで漕ぎついた。

何だか火がついてしまったので僕のも妻のも磨いた。僕のはリーガルのガラスレザーのストレートチップなので磨きすぎて顔が映ってしまうくらいになってしまった。磨き過ぎは下品なのだが、まぁめでたい日だしいいかとそのままにした。

卒業式の朝、三人揃ってピカピカの靴で学校へ向かうのはとても気持ち良かった。「男はな。革靴を履いてようやく一人前なんだよ」という言葉を息子がどう受け止めたかわからないが、とりあえず僕の要望に応えてくれたのには心の中でお礼を言おうと思う。

 

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