なるべくなら自分の意思で

散文的日常記録

僕がこの『オガーTVブログ』を立ち上げたのは2017年4月であるが、それ以前、THE RED NOSEというバンドをやってた頃の2007年から9年間ほど『赤鼻通信』というブログを書いていた。

今はもう無い。というのもいわゆるプロバイダがスペースを提供している無料ブログサービスを使って書いてたのだが、そのサービス自体を数年前にやめてしまったらしい。

らしい、というのはそのようにその会社からメールでお知らせが来たからで、すでに『オガーTVブログ』を始めていた僕はあまり気に留めていなかった。

若い人はご存じないかもしれないが、一般家庭にインターネットが普及し始めた2000年あたりはBBS、いわゆる掲示板全盛期だった。その後2004年あたりからブログが出現し、芸能人も一般人も世の中に物申す風潮になり、そして会員制のミクシィが2007年頃に爆発的に人気を集め、そこからはもうSNSの時代である。

つまりブログなんて過去の遺物なのだ。特に『オガーTVブログ』のような私情や私見をただただ書いてるのはもっとも古い手法で、もし現代において注目されるブログを作りたいのならHOW TOものやレビュー系を意識すべきなのだ。それでも今はYouTubeがそちら系を網羅してしまっているが。

だがしかし僕はこの主観のみで書く自分のブログを大切にしたい。大切にしたいからこそ自分で運営費を払いながら維持している。自分で運営しているから『赤鼻通信』のように他人の事情によりある日突然消え去ったりしない。『オガーTVブログ』が消える日は、それは僕自身の意思で運営をやめるときである。

ところでそんな僕の長きブロガー人生に初期からお付き合いいただいてる方は、僕が週に二度、親戚の牛乳配達を手伝っていることをご存じかもしれない。

これについては今まで詳しく書いたことが無かったが、要は「某乳業メーカーの代理店を営んでいる叔母が、業務のひとつである早朝の宅配を、わざわざ見ず知らずの人を雇うほどの量でも無いから僕にやらないか?という話を持ってきたのが25年ほど前で、それ以降特に辞める理由もないから今まで続けていた」という話である。

続けていた…と過去形なのはとうとう2024年9月一杯で終わってしまったから。

叔母は高齢だがまだまだやる気はあった。だがもうメーカーがこの地区での宅配をやめるとのことで卸してくれなくなったのだ。牛乳ビンを洗浄するのにもコストがかかり割に合わないのが限界に来たのだろう。

これにて25年ほど続いた僕の牛乳配達おじさん業務も終了となった。始めた当初は30件ほどあった配達件数も年々減少し今では6件しかなくなった。それなりの手間賃をもらってた身をしては何だか申し訳ないなという気持ちも強くなってきてたのでちょうどいいのだろう。振り返ればそれなりに思い出もある。

若い頃は無理が出来たので、夜遊びしたまま寝ずに配達したことも何度かあった。

震災の時はガソリン調達に困った。

道路が冠水し配達を中止したのも2度ある。

深夜の大雪のためスコップを持ちながら配達したことも何度かあった。

25年の間に寝過ごしたことは3回ほどあったけど体調不良で休んだのは4、5回だと思う。事故を始めトラブルの類は一度もない。お化けを見たことも無いし、素敵な女性との出会いなんてない。25年間ラジオを聴きながら、早朝ただただ人様の家の前に置かれてある牛乳ケースに牛乳を入れてきただけだ。

とはいえ25年も続けたものを自分の意思以外でやめるというのも寂しいものだ。誰にも合わずたいした体力も使わずとても楽な仕事ではあったが、先ほどのブログの話と同じで、やめるなら自分の意志でやめないとどうもすっきりしない後味になる。

人生、いろんなことを始めいろんなことを辞めていく。けれどもなるべくならそれらは自分の意思で決めていけたらなと思う。

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