それ単体で完結する世界

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僕は山形県酒田市というところに住んでいますが、東北日本海側にある町なので冬は寒いです。

当たり前のように雪も降りますが、かといって豪雪地帯というわけでもなく、海沿いの町なので強風による吹雪がきついところです。まぁ稀に大雪もありますが。

で、北国に住む人間が避けては通れないのが暖房費の問題。まぁこれはもう生活する上での必要経費になりますので悩む余地などないのですが、それにしたって昨今のさまざまな燃料費の高騰を鑑みるに、抑えれるものは少しでも抑えたいと考えるのが普通でしょう。

特に僕は自営業者で、これを書いている事務所で一日のほとんどをここで過ごしています。その際、この部屋では当然暖房(石油ファンヒーター)を使います。

これが業務時なら気にしませんが、早朝や夕食後から就寝までの時間などはほとんどがプライベートな時間なので、この広さを暖めるのにファンヒーターをがんがん使うことに少し罪悪感を感じていました。

そこでふと思い出したのが倉庫二階の隅に保管されていた石油ストーブです。

僕が幼少の頃キッチンで使われていたシロモノで、いつしかファンヒーターに役目を譲ったものの、亡き父親が説明書と一緒にビニールで包んでおかれてました。

SNSにアップしたところ、数名の友人からこれはアラジンという老舗のメーカーから発売されたものでキャンパ―等のアウトドア好きの方々からは人気が高いとのこと。ちなみにアラジン37pkdと記載。

試しに使ってみることにしました。燃料費うんぬんのこともあるのですが、それよりなにより真冬に停電になってしまう事態が発生した場合に、暖を取る道具はあるのに使用できる者が誰もいないではまずいからです。

そうです。僕はこういった石油ストーブの使い方を知らないんです。ですが説明書も一緒に保管しておいてくれた父のマメさのおかげでだいたいの構造と使用方法は把握出来ました。ということでいざ点火。

 

 

うまくいきました。軽く感動しつつ火を眺めていると昔の家のことを思い出します。このストーブが暖めてくれるキッチンで、庭に雪が降り積もる日曜日の朝、家族で温かい飲み物とパンをかじったあの日のこと。今はいなくなってしまった父も、病気で倒れた母も、あの頃はみんな元気でした。

 

 

結論からいうとこのストーブに事務所全体を暖める力はありませんでした。ですが1~2時間程度の残業時間やプライベートでPCの前に座るときなどは、デスク近くに置いて使用すれば十分暖かいです。これはアリだなと思いましたので、この冬、使っていこうかと思います。

それにしても…1973年製造のストーブが2026年の冬でも活躍するなんてね。やはり電子回路を使っていないこと、そして原始的な作りと綿密な設計がそうさせるのでしょうね。

以前書いた腕時計や機械式カメラの記事でも思ったんですけど、このストーブにも同じようなロマンを感じます。これの正体はなんなんだろうと考えてみたところ、やはりそれ単体で世界が形成されているところでしょうか。

電波腕時計は基地局からの助力がいる。

最新のカメラは電力がなければシャッターが切れない。

でも機械式腕時計も機械式カメラも、そしてこのストーブもそれ単体で稼働する。つまり世界がそれ自体で始まり完結している。そこが惹かれる部分な気がします。

もともと僕も最新技術大好きな人間でありますが、年齢を重ねたせいか、少々手間がかかることに惹かれることが多くなってきました。

今後もせわしなさに疲れたときは、このストーブで沸かしたやかんのお湯で作ったお茶を飲みながら、青い火を眺めつつ一息入れたいと思います。

ではまた。

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