【庄内の美景】友人が撮った写真が雑誌になったというので買ってみた【e-Towns】

紹介

先月だったか酒田在住の風景写真家、佐々木聖紀氏が写真集を出すという知らせを聞いた。

よくよく聞いたら、e-Townsというフリー雑誌の十五周年記念誌として出版されたフォトエッセイで、写真素材は全て彼が撮影したもので構成されたそうだ。

何を隠そう佐々木氏は僕の友人である。僕の息子が幼稚園に入ったときからの親父仲間である。

思えばその頃写真について何も知らない僕は彼にかなり無茶振りをした。

自分のラジコンカーを流し撮りしてもらったり、当事僕がやっていたバンドのワンマンライヴを薄給で撮影してもらったり、挙句の果てには卒園ビデオを作るのに素材を提供してもらったばかりか、勝手にクロップ(トリミング)していた。

今ならわかる。あれは写真家、特に構図が重要な風景写真家に対して大変失礼な行為だ。本当にすまないと思っている。

でも、言い訳させてほしい。

現代の動画というのは基本的にアスペクト比が16:9である。対して写真の多くは3:2なのだ。それをミックスさせてしまうと写真の場面でどうしても両脇に黒い枠が出来る。それを消すためのクロップなのだ。

今ならわかる(2回目)。今ならけしてそんなことはしない。そのまま黒い余白なんて構わず出すかフレームでも作る。

でも、そんなことに何も文句言わずいつもニコニコしていた。

そう、彼はとてもいい奴なのだ。

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佐々木氏とは?

雑誌にもプロフィールが記載されていたが、それをそのままここに書き写すのはさすがにまずいと思われるので僕の記憶で書く。

確かどこかの写真会社に勤めたり、誰かを師事したりとかそういったことはなく独学で写真を始めたと聞いた。きっかけは会社の先輩とかだったかな。バンドマンのきっかけが友だちの兄ちゃんの影響で、みたいなイメージだったと思う。

使用カメラメーカーは当事と同じならNIKONユーザー。キャリアは10年くらいだっけかな。風景写真家として10年が短いのか長いのかはわからないが、僕からすると「相当どっぷりのめり込んだんだろうな」というイメージだ。

とにかくナイスガイで、僕みたいなうさんくさいおっさんにも気軽に話しかけてくれて、いつの間にか打ち解けていた記憶がある。

人の悪口言ってるところなど見たことがが無い・・・え?おまえは人の悪口言ってるところしか見たこと無いって?やかましいわ。

彼の写真の特徴は、何度も見たことある景色なのに見たことが無い写真になるということだ。それに尽きると思う。

僕の勝手な推測だが、これは彼の遊佐町生まれというルーツが絶対に関係している。多感な時期を自然の絶景に囲まれて過ごし、その真っ只中で育まれた独自の感性が確実に写真に反映されている。

ちなみにウチの、いや妻は、高校を卒業したあと美大に進み、そのとき教授に「酒田ってどんなところですか?」と聞かれ「白と黒と緑の街です」と答えたという。そして実際に彼女が撮る酒田のスナップ写真はそんな感じだ。

恐らくそういうことなんだろうと思う。それぞれ培われた感性は必ず写真に反映されるから面白い。人が前に出すぎている写真には閉口するが、全く撮影者の気配が無い写真というのも味気ないものだろう。

佐々木氏の写真はそこがとてもバランスが取れていると僕は思う。

八文字屋で買った

ということでその庄内の美景という雑誌を買いに行った。場所は酒田の八文字屋書店、価格は1,800円ちょっとだったかな。忘れた。

もう表紙からしてハンパない空気が漂っている。

 

 

 

ちょっとだけ見せてあげようか?ん?

感想

予め断っておくが僕は風景写真に疎い。さらに自然風景といえば拍車を掛けて疎い。

だが、そんな僕でもこの数々の素晴らしい風景写真には感動した。ひょっとして俺たち庄内人は楽園に住んでいるんじゃないか?と思った。

おまえも風景とか撮ってるじゃないかって?冗談じゃない。あんなものは風景写真とは呼ばない。あれは僕のライフワークであるスナップ写真の中の風景コーナーに過ぎない。そもそもクルマでぶーんといって、適当にパシャっと撮った写真なんて僕という人間ならではの作為性なんてこれっぽっちも入っていない。

これぞ風景写真だ。

この数々の写真には、目の前の被写体がどんなときにどのように撮ると最高の輝きを見せてくれるのかという想いが伝わってくる。一度や二度で成せるわけがないというチャレンジ精神が見え隠れする。

やっぱ愛なのだ。写真は愛だ。被写体に対する愛と敬意、それに尽きる。

最近アサヒカメラという雑誌が「最近の風景写真はレタッチし過ぎだ!」という特集を組んで話題を巻き起こしていた。それにまんまと引っ掛かり僕はアサヒカメラ9月号を買ってしまった。

もはやそんなことはどうでもいいことなのだ。結局写真はイケてるか?イケてないのか?それが全てだ。

僕にとって佐々木氏の写真はとてもイケている。

というわけで

例えばバンドマンにとってアルバムを作り世に放つということは、音楽に興味が無い人々をも何とか振り向かせようとする行為だとすると、写真家が写真集をリリースするのも同じことだといえる。

というか何でもかんでも「世間に向けて」というのは恐らくそういうことだろう。そもそも同じアンテナを張った者が集まるクラスタにだけ向けた作品、わずかでもその匂いを感じただけで、それに対して僕はもう何も興味が湧かない。

そういう意味でこの庄内の美景はれっきとした作品集である。ガイドブックの意味も兼ねた今作は写真撮影に全く興味が無い人にはもちろん、庄内に縁のある人やそうでは無い人含め、幅広く楽しめる内容になっている。ぜひ、多くの人に手に取ってもらいたいものである。

ということで、最後にこの「庄内の美景」を取り扱っているショップを紹介しておきます。なお「オガーTVブログを読んで買いに来ましたっ!!」言っても、特に何も良いことはありません。あしからず。

ではまたっ!!

 

<鶴岡市>
なんだ屋
阿部久書店
八文字屋 鶴岡店
羽黒町観光協会
e-Towns編集室

<酒田市>
カメラの七桜
みずほ八文字屋

<三川町>
戸田書店 三川店
未来屋書店 三川店

<庄内町>
「ブックシティトミヤ」

<遊佐町>
エルパブックスほんま
遊佐町観光協会

 

※過去に佐々木聖紀さんについて触れた記事はこちら↓↓

「鳥海山の頂上まで登らざるを得なくなった話」—2017.06.29投稿。

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