最近一丁前に多忙な僕であるが、じつは先月26日に土門秀明さんと一緒に酒を飲んでいた。
左が土門さんね。場所は酒田市居酒屋wark
※前回、初めて土門さんとお会いしたときの記事はコチラ↓↓
さて今回お会いしたのは7月にあの「地下鉄のギタリスト」の完全版がリリースされるというのでそのお話を伺いに行った訳だが、結局はまたお互い酔っ払って終始全く関係ない話をあーでもないこーでもないという状態になってしまった。
したがって相変わらず僕の個人的な視点からではあるが、なぜこの「地下鉄のギタリスト」という本を今読むべきなのかご紹介したいと思う。
本を読む
じつはこう見えて僕は本を読む方だったと思う。
もちろん漫画も好きな子供だったが本も好きだった。というよりこれまで両者の違いをあまり深く考えずに読んできた。
だから、小、中、高校時代はもちろん、上京してからも帰ってきてからもタダで利用できる図書館という施設を利用しまくっている。
ところで「本を読まない」という方の中にはイメージで嫌ってる方も多い。いわゆる「高尚なもの」という勘違いをされている。
これは文字通り勘違いで、僕から言わせれば「この世に出回っている書籍の98%はしょーもない」というのが僕なりの感想だ。具体的に言えば100冊読んで1~2冊当たるくらいのもん。
しかしその2%がその後の人生に大きな影響を与えてしまうのも事実。だから僕は本を読んでしまう。宝探しの如くである。
断っておくが、これは「世の中の本のほとんどはくだらないよ」と言いたいわけではない。人によって当たる確率も違うだろうし、感銘を受ける内容もそれぞれだろう。
あくまで僕がこれまで歩んできた道において、という意味であることをご理解願いたい。
「地下鉄のギタリスト」について
そんな僕だから買っては捨て、借りては返しの読書人生である。自宅の本棚には50冊すら残ってはいない。
だけでもその50冊の中には2006年に買った「地下鉄のギタリスト」が残っている。夏目漱石の「我輩は猫である」とキース・リチャーズを題材にした「彼こそローリング・ストーンズ」という本のあいだにしっかりと置いてあった(このキースの本はいまいち面白くなかったのに何で残ってるんだろ?)
別に同郷のよしみで残っているわけではない。確かに買ったキッカケは当時土門さんのコンサートを観たからだが別に友達だったわけでもない。友達になったのは今年になってからである。
なのに12年間僕の本棚に残っているということは、この「地下鉄のギタリスト」はそういう本だということを意味する。
これまで3度ほど読んだのだが、もう1度読み返してみる。音楽もそうであるが、本の面白いところは自分が触れる時々で解釈が変わるところだ。
・・・・・これはまさに現代で必要とされている本ではないのだろうか?
いま巷には自己啓発や成功体験の本、セミナーが溢れている。
僕はああいう類のものは、少なくとも自分にとって何の役にも立たないと思っているから手にしたことは無いし関わったこともない。むしろ聴きたいのは失敗例の話だ。そちらの方がよほど知りたい。なのに未だに消えずにどんどん陳列&開催され続けているというのは需要があるということなのだろう。
そういう人達こそこの「地下鉄のギタリスト」を読むべきなのだ。
この本には「成功」も「導き」も「気づき」の手引きはどこにも具体的に書いてはいない。叱咤激励も無ければ自己称賛も無い。
けれども一人の男が日本の音楽産業の閉塞感から逸脱し、単身ロンドンに乗り込み、ストリートで音楽を奏でて生きてきた日々そのままが淡々と記されている。美談もあるが、そうではないことも書かれている。
けして読み手の背中をひたすら押そうとしている内容ではないこの一冊の本が、逆に自分の今の立ち位置を再確認させられる。とても自分の中にストンと落ちてくるような本である。
けして音楽好き「だけ」に向けられたモノではないことを僕はハッキリと約束する。
とても今回の記事だけで紹介できるものではないので、これから数回に分けて書きたいとは思っている。ぜひ多くの人に手にしてもらいたい。
奇跡的なショットである。
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全国流通ですので酒田市の書店にも並ぶ予定みたいですが、amazonでも予約を受け付けています。
最新の動画。
紹介
2006年2月、水曜社より発売された拙著「地下鉄のギタリスト Busking in London」が、大幅に加筆修正リニューアルされ、ロンドン地下鉄構内での生演奏(ソロギター)をライブ録音したCD付きで、アルファベータブックス社より2018年ゴールデンウィーク前後に再発売されることが決定致しました。
「地下鉄のギタリスト Busking in London」は、著者の私が、12年間、ロンドン地下鉄でバスキング(路上演奏でお金を稼ぐ事)してきた実体験のリアルタイムエッセイとして出版され、発売当時、雑誌ダ・カーポが選ぶ「BOOK OF THE YEAR 2006-2007」、産經新聞の「2006年本当に面白かった本ベスト3」にも選出されており、テレビ、ラジオ、新聞等でも取り上げられました。
書名「地下鉄のギタリスト 完全版」
著者 土門秀明
出版社 アルファベータブックス(担当 春日)
サイズ 四六判 単行本 CD付き
著者プロフィール(wikipediaより)
土門 秀明(どもん ひであき、1964年11月15日)
山形県酒田市出身。
光が丘小学校→琢成小学校→酒田第一中学校→酒田商業
1986年から1991年の間バブルガム・ブラザーズのギタリストとして活躍。その後、2001年に渡英。2003年に日本人初のロンドン地下鉄公認バスカーとしてライセンスを取得。
Queenの「Too Much Love Will Kill You」を演奏しているYoutube動画が、 ブライアン・メイ公式ホームページ(https://brianmay.com/)の2009年3月9日の投稿で紹介され、ブライアン・メイ氏ご本人から「This is great !」とコメントされている。
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