妻がカメラマンやめるってよ。

僕の妻は職業カメラマンである。隣の市の老舗写真館に十数年勤めている。

その妻が今年に入ったあたりだったか「会社をやめようかと思う」と言い出した。

こういう類のことを言い出すのは2回目だったと思う。前回はセガレが幼稚園に入るときだっただろうか。「自分の一人息子も撮らないで、他人の子どもを撮ることは出来ない」と言い出した記憶がある。そのときは会社に勤務体系を調整してもらうことを条件に継続の道を選んだ。

あれから4年経ち、今回は本当にやめるらしい。というか今月一杯での退職が決まった。

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僕の妻

当ブログには「僕の写真の鬼コーチ」としてたびたび出てくる僕の妻。あのへん多少の誇張はあれど、ほとんどがノンフィクションである。

簡単に言うとちょっとおっさんが入ってる女性。

僕と結婚してから今年で11年目。その前に付き合ってた期間が5年くらいあるから、出会ったのはずいぶん前になる。年齢は僕より8つ年下。性格的には最初からあんな感じ。ひと言で表すなら「岩」かな。岩石岩子さんってイメージ。

生い立ちは字面にすると結構不幸。

一人娘として生まれ、だけど物心ついたときに父はおらず、母親とおじいさんおばあさんで育てられた。だが彼女が20代半ばのときに母親を病気で亡くし、父親代わりだったおじいさんも翌年他界。

そういう体験のわりに本人の性格は捻じ曲がっていない。周りの大人達によほどしっかり育てられたんだろうな、と僕は勝手に思っている。

高校卒業後、母親と同じ美術大学に進学。そこで写真のことも学んだとのこと。Uターン後、母親の看病をしながらアパレル勤め。2年後に現在の写真館に転職。

・・・だったかな。

僕と妻

それまで僕はカメラの類はほとんど触ったことがなかった。ビデオはセガレの誕生祝いにジジババが買ってくれたSONYのハンディカムがあったが、結局それもあまり使わなかった。しっかり妻が写真で成長記録を撮ってくれてたから。

そんな僕が動画を撮るようになったのは3年前のセガレが年長クラスのとき。前々から言ってるとおり幼稚園の卒園ビデオ製作担当になったのがその理由。

なかなかハマらないくせに、一度ハマるとノメりこむのが僕の性格なので、もっときれいな動画を撮りたくてCanonのEOS80Dを購入。これがデジタル一眼レフカメラに出会ったキッカケ。

セガレが卒園してからも、せっかく買ったEOS80Dを腐らせたくなくて、いろいろやってるうちに動画から写真にノメりこむ。それが2年前。そして現在に至る。

卒園ビデオの製作の監修もEOS80Dを買うように奨めたのも全部妻。アレが無ければ僕はもっと遠回りしていたし、無駄な散財もしていたと思う。

卒園ビデオについては「自分が好きなこと」と「人様に見せること」の違いを徹底的に叩き込まれた。

細かい手抜きをしたことがあったが「そういうので全部バレるんだよ」と言われ一切許されなかった。

ちょっと凝った合成を使おうとしたときも「編集者としてのドヤ顔の技術お披露目なんて何の足しにもならない」と切り捨てられた。

中でも「宣材(宣伝材料)や広告じゃあるまいしインパクトなんか不要。大事なのは10年20年経っても色褪せないちゃんとした記録。例えば将来、母親が我が子の反抗期で子育てに疲れたときに視聴して、また明日からも頑張ろうと思えるビデオを作ること」という凄まじいセリフが忘れられない。

このときの僕はまだ動画製作とカメラを持って半年ちょっと。

「いやあの僕、まだ初心者なんでそこまで要求しないでくださいよ」

「そんな事情、見る人には何一つ関係ないのだ!!」

この日から僕は妻を鬼と呼ぶようになった。

ところで僕はまだカメラを触って3年目だがこれだけは言える。

確実に同じくキャリア3年あたりの人より濃厚な3年を過ごした。修行といってもいい。

それもこれも初めの段階から鬼に叩き込まれたおかげだろう。悔しくて枕を涙で濡らす夜もあったが、今となってはちょっと感謝している。

それはやはり現在の僕の活動、つまりPTA広報部として一切の手抜き無く広報誌の編集長をやれてるのも、この時期があったからと思うからだ。

鬼よさらば

そんな鬼がカメラマンをやめるという。僕はちょっとさびしくなった。

さびしくなったので「今までお疲れ様でした。写真のことはもう立派に育ってしまった僕に任せて、あとは縁側で盆栽でも眺めながらお茶でもすすっててください」と言った。すると。

「何を言ってるんだ。私がやめるのは写真館勤めであって写真をやめるわけではない。職業じゃなくなるからといって、今までの経験や知識や技術を会社に置いてくるわけではない。これまで以上に○○(セガレの名前)と○○の友達や学校行事をバリバリ撮るから覚悟しておきなさい」

あ、そうなんですか。

なんならもうカメラとかレンズ、僕がもらえるものだと思ってました。そして・・・

「まぁ、しばらくは自分の写真を撮るかな」

とボソっと言い、鬼はPCデスクの前でお茶をすすった。

自分の写真。自分の写真か。そのことについては僕も思うことがある。が、その話は次回にでも。

というわけでお疲れ様でした。ではまたっ!!

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