ゲリラ豪雨の朝

その他

今週に入り、僕の本業も繁忙期の第一弾に突入した。毎日軽トラックで庄内平野を走り回っている。

この第一弾が終わると少しだけ落ち着き、それから小学校の運動会を経て本格的な繁忙期に入る。いわゆる稲刈りが始まるからだ。

そんな感じなので昨晩はまた気を失うように早く寝てしまい、今朝は4時半頃の強い雨音で目が覚めた。

古くから、つまり旧ブログから僕のことを知ってる方ならご存知かもしれないが、僕は週二回牛乳配達をしている。というのも母の姉、つまり僕にとっての叔母が牛乳販売店を営んでおり、その手伝いである。

ご存知のとおり年々牛乳の宅配など数は減少している。販売店の方も利益のためにやっているというよりは、メーカーからのノルマみたいなところがあって、つまり乳製品を卸してもらう代わりに宅配もやりますよって感じなのだ。

なんだかんだで僕も20年以上になる。最初の頃の配達件数と比較すると半分以下になっており、もはや新たにアルバイトを雇うわけにもいかないだろう。叔母は高齢なので、こうなったら廃業するまで付き合うつもりでいる。もちろんバイト代ももらえるし。

それでである。今日はその配達の日なのだ。

5時過ぎになったのでちょっと外に出てみると変な空の色だ。黄色というか、オレンジ色の中、すさまじい雨が降っていた。

やむ気配が無い雨は配達開始予定時間の5時50分になっても降り続いた。「やだなぁ」という思いを抱きながら車に乗り込むと家の前の道路が冠水していた。

確かにここの道路は少し激しい雨が続くとすぐにこうなってしまう。3~4年に一度は見る光景だ。今朝もあまり深く考えずにそのまま車を出した。

 

ところがちょっと尋常ではない。自宅前の道路どころか、町内が水浸しになっている感じなのだ。もはや行き交う車がスプラッシュマウンテン状態である。

だが、じゃあそうですかというわけにもいかないので、とりあえず牛乳を目指した。だが、小学校前の通りはもはや水の中である。軽トラックのギアを一速にし、四駆に切り替えてようやく進む状態である。

東に進めば進むほど冠水はひどかった。ちょっとタンマという感じでお店の駐車場に停めさせてもらって様子をみることにした。

といっても状況がマシになるわけでもないのですぐに出た。むしろ大通りよりも脇道から行ったほうが簡単にたどり着けた。

そのまま牛乳を積み出発した。国道あたりは平気なのだが、ちょっと市街に入るとズブズブが発生している。

そして半分配り終えた時点でパトカーが見えた。どうもここの通りは駄目らしい。

ぶっちゃけ「まぁ牛乳なんて命かけて配るもんでもないよな」と思ってしまったので、もう配達はやめることにした。いやぁ20年間で途中放棄したのは始めてである。

戻って叔母に事情を話し、あとの処理は任せることにした。それより今日の学校はどうなるのだろうか?

と、思っていると学校からメールが届いた。「今日は普通に学校あるけど、こんな状況だから安全第一でね。遅刻してもいいよ」ということだった。もちろんこんな緩い文面では無かったが(笑)

町内子供会役員のLINEグループが動き出した。あーだこーだ言っても仕方ないので「今日は登校班ではなく、各自クルマで送っていきましょう。その旨を会長さんが連絡網で発信してください。もし、送る手段が無いならこちらに要連絡ってことで。そのときは三役でなんとかしましょう」というふうに半ば強引に進めた。僕も一応副会長なので。

というのも確か2年ほど前にも登校時に激しい雨風があって、そのとき軽く混乱した経緯があり、PTAの運営委員会でも議題になった。僕はそのときの内容をよく覚えていたから結構スムーズに動けたつもり。

そして送る際に駐車場が混乱しないよう送迎ルートも決められたはずなのだが、もしかすると覚えていない保護者もいるかもしれない。だからそのルート内容もLINEに貼り付けた。

そんなことをしているうちに通常の登校時間になった。いつもなら交差点に立つ時間なのだが「さすがにこんな日はお家の人が送ってくれるだろう」と思いつつも、一応家の外には出てみた。交差点は冠水しているので立てなかったが。

そしたらなんと普通に登校してる子達がいるではないか。顔ぶれをみるとこのあたりの子たちではないので、ひょっとするとこのあたりの状況がお家の人もわかってなかったのかもしれない。

ふと左をみると息子と同じクラスの女の子が一人で歩いてきた。いつもハイタッチをしてくるSちゃんだ。

「なんで一人なんだよ」

「他の人は車なんだって」

「いや、一人じゃまずいだろ。おれが送ってってやるよ」

・・・と言ったもののちょっと頭が混乱した。いくらクラスメイトといっても同じ町内でない(つまり子供会メンバーではない)子を勝手に僕がクルマに乗せていいのだろうか?息子と一緒に乗せていくならあまり問題ではないだろうが、あいにく奴はまだ部屋でのんびりしている。

「いや、大丈夫だよ。一人で行くよ」

うだうだ考えてる僕を横目にSちゃんはスタスタと歩き出した。とりあえずそこの横断歩道を渡るまでは一緒に行った。そのとき同じ班のお母さんみたいな人がみつけてくれて、一緒に車に乗せてくれたのだった。とりあえず一件落着。

さて、あとはセガレである。

「そろそろいく?」

8時までのんびりした奴を軽トラックに乗せて学校へ送り届けた。これにて朝の騒動は一件落着である。

それにしてもすさまじい雨だった。

全国放送であるミヤネ屋でも取り上げられ、なんとここの地区の映像が思いっきり放送されていた。

事前に何の情報も無かった!とSNSで憤ってた人がいたが、いきなり来るからゲリラなのである。自分の身は自分で守らねばなぁとつくづく感じた朝でした。

おしまい。

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