【377日目】早朝交差点観察日記

早朝交差点観察日記

当たり前だが12月の朝は寒い。

手袋を出してこないといけないのだがどこにしまったか忘れてしまったので、近々本腰を入れて探さないといけないのが少し憂鬱だ。さすがに交差点で黄色い旗を持ちながら、片手をズボンのポケットに入れている姿だけはみっともないので避けなければならない。

ふと通りの向こうを見ると、先週の金曜日にひと悶着あった登校班も元気に歩いていた。ひと悶着というとおおげさだが、登校時に上級生から注意されたことにヘソを曲げた低学年の児童が大泣きしてその場から歩かなくなったのだ。その子はいつもだらだら歩いていて隊列を乱しているから、とうとう上級生の堪忍袋の緒が切れたのだろう。

あまりにも泣きじゃくるので、近くにいた僕と同じように毎朝立っているおじさんが心配そうに話を聞いていた。その様子を僕は遠巻きに眺めていたのだが、全く泣き止む様子が無く、登校班が前に進むことも無かった。僕は業を煮やし様子を見に行き、少し大きめに声を掛けた。

「いいからさっさと行け。泣きながら歩け。〇〇(知ってる子の名前)、背中を押してでも行け。」

怪我をしたとか腹が痛いとかならともかく、ただ、ヘソを曲げて泣いてる子どもの理由なんていちいち聞いても仕方がないのだ。歩いてるうちに曲がったヘソが元通りになるもんだ。

ふと振り返ると、本当に背中のランドセルを突っつかれながら学校へ向かっていった。男の子なんてあんなもんでいいのだ。逞しくあれ。

…え?もし泣いてるのが女の子だったらどうしたかって?もちろん泣くやむまできちんと話を聞きますよ。だって女の子から恨まれたら嫌だからね。

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