旅の途中のドラゴンクエスト

ゲーム

部屋の片隅からニンテンドー3DSが見つかった。10年ほど前に息子に買い与えたものだったと思う。

彼は3歳の時にこのゲーム機でたくさんのコンピュータゲームに初めて触れ、その後、WiiUスーパーマリオ3Dワールドにのめり込み、そしてニンテンドーSwitch大乱闘スマッシュブラザーズSPECIALを最後にゲームをやらなくなった。小学校四年生の夏だったと思う。

たまにテレビに繋ぎっぱなしのニンテンドーSwitchで将棋やオセロを遊んでる姿を見るが、ほとんどはYouTube等の再生専用機になっていて新しいゲームソフトを欲しがることも無い。子育て的には喜ばしいことなのであろうが、小さい頃からテレビゲームと共に感性を磨いてきたと自負している僕としては少し寂しくもあった。

そんなことを思い出しながらもう長いこと起動していなかった3DSを充電しながら時計を合わせていると、今さらながらこのゲーム機の手の内にすっぽり入るサイズ感とコントロールキーの操作性に驚いた。

「こんなので日曜日にゴロゴロしながらゲームするのって最高だろうな」

そう思った僕は、近くにあったスマートフォンの検索エンジンを使ってひとつのゲームソフトを調べた。それはドラゴンクエストⅪ-過ぎ去りし時を求めて-の3DS版だった。

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僕とドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト11のPS4版を僕は発売日に買った。調べたら発売日は2017年7月29日とのことなので、すでに6年以上前の話だ。

ドラゴンクエストの思い出はたくさんある。

ドラゴンクエストⅠは中2の夏に出た。文字と静止画ばかりのマニアックなゲーム扱いだったんで当時はさほど話題にならなかった記憶がある。でも、同級生のRに貸してもらってやってみた。今まで見たことも無いゲーム体験に興奮した。

ドラゴンクエストⅡは中2の冬だった。日本全国のゲーム少年を阿鼻叫喚の渦に巻き込んだ「ロンダルキアの洞窟」に僕も苦しめられた。もちろん復活の呪文も間違えた。

ドラゴンクエストⅢは高校受験の1か月前に発売されたので母ちゃんに買ってもらえなかった。けれどもそこを何とか交渉して、買うだけ買って受験が終わるまで事務所の金庫に入れておくという約束で交渉成立した。今と違って、欲しいゲームソフトは早く確保しないと次はいつ手に入るかわからない時代だったのだ。

ドラゴンクエストⅣは高校時代のたまり場でよく遊んだ。たばこの煙にまみれた部屋で高校生があーだこーだ言いながらドラクエやってるんだからシュールだ。

ドラゴンクエストⅤはすでに上京していた。毎夜バイトが終わったあとのアパートでピコピコやった思い出があるが、正直一番つまんないドラクエだと思って当時は遊んでた。今はⅤが最高傑作との呼び声も高いらしいし、僕も家族を持ってから再プレイしてようやく素晴らしさが分かった。

ドラゴンクエストⅥはあまりにもつまんなくて「もうドラクエは終わった。完全にファイナルファンタジーの時代だ」とブツブツ言いながら遊んだ。しかも有馬記念で帰省するカネを全て失ってしまい、仕方なくこのゲームで年末年始を過ごしたのであまりいい思い出が無い。

ドラゴンクエストⅦは地元にUターン後だった。何度も延期したクセにこれかよ!とこれまた文句を言いながら遊んでた記憶がある。でも、何年か後にもう一度やったらこれはこれでいいゲームだと再評価した。

ドラゴンクエストⅧは毎晩彼女と一緒に遊んだ。現在の妻である。

ドラゴンクエストⅨはすれちがい通信にハマり、新潟競馬場でゲットしたレアな地図を「今夜○○で配布します」と掲示板に書いて地元にバラまいた。

ドラゴンクエストⅩはオンラインゲームとなり友達と4人で毎晩のように遊んだ。今ではもうそういうことに費やす気力は無いが当時は刺激的な体験だった。

そしてドラゴンクエストⅪ。先に書いたように発売日に購入したにもかかわらず、途中でやめてしまったままだった。

やめた理由

ドラゴンクエストⅪを途中でやめた理由。じつは深い意味があるわけでも無く、単にプレイステーション4が壊れたからだった。いや、正しくは壊れていない。今でもゲームは起動する。

ただ、冷却ファンが異常にうるさくなったのだ。購入当初から「うるさいゲーム機だな」とは感じていたが、いよいよシャレにならないくらいやかましくなり、まるで掃除機を使ってるかのようだった。

その音はヘッドフォンを装着してもうるさかったので起動するのも嫌になり、そのまま僕のドラゴンクエストⅪの旅は幕を閉じたのだった。

ちなみにプレイステーション4を部屋から撤去したのと同時に、僕自身もゲームをすることは無くなった。

僕の最後のゲーム機。発売日に買ったプレイステーション4。恐らく全起動時間は3000時間ほどだから元は十分取った。

時を経て・・・

「途中でやめたドラゴンクエスト」

どこかにそういう引っ掛かりみたいなものはあった。別に全ての物語が繋がってるわけでもないシリーズなのでやらないドラクエがあってもいいのだが、つまらないどころか、良作の手ごたえがあった作品だったのでもう一度冒険したくなった。

そう、ドラクエは冒険なのだ。

発売日に購入し、帰りに食料を買い込み、風呂を済ませ、あとは部屋にこもり冒険する。これはもはや何年かに一度のお祭りなのだ。

Amazonでニンテンドー3DS版のドラクエⅪが新品2199円で売っていたので購入した。けれどもまだ冒険を始めていない。

これは正月だな…と思う。食料を買い込み、風呂を済ませ、たまにうっかり寝てしまいしながらダラダラとベッドの上で冒険するのだ。

世界を救おう。

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