スニーカーみたいに履きたい革靴

服装

先日とある会合でスニーカーの話題になった。僕自身はスニーカーに全く詳しくないのだが、昨年あたりから「ブームの終焉」という記事を目にするようになり、それなりに現状には興味があったので会話に参加したがなかなか面白い時間だった。

というよりジャンルに関わらず、靴が好きな人が僕は好きなのである。いや、ちょっと違うかな。靴を大切にしていたりこだわっていたりする人というべきかもしれない。これは死んだ父親の影響もあるのかもしれない。彼の靴は恐らく高級なものや流行のものはひとつもなかったが、季節が変わるたびに綺麗に手入れしている姿を幼いころから見ていたからだろう。

だからその日も、大の大人が自分が持ってるスニーカーやかつて所持していたスニーカーを楽しそうに語る様子をみて、何だか僕も楽しい気持ちになれた。靴や服はただの道具だが、だからといってどうでもいいというわけではない。

そしてこれは本当に偶然なのだが、ちょうどその前日の晩に僕は冬に履いていたブーツ等の手入れをしてしまい込み、代わりに春から履くための短靴を引っ張り出してきたところだった。

ということでその会合に履いて行ったのは英国チャーチのシャノンである。

この靴は10年以上前にネットオークションで買った。考えられないほど安い即決価格が設定されて出品されていたのを見て衝動買いしたのだ。プラダに買収された後のいわゆる四都市チャーチなのだが、じつは旧チャーチと現行チャーチの狭間に発売されたシロモノであるためラスト(木型)は224である。

シャノンと言えばチャーチの中でも代表作の一つであるが、映画『007/慰めの報酬で主人公に着用されたとかで一躍人気になった記憶がある。残念ながら僕はまだその映画を観ていないけど。確か同じチャーチのライダーにもそんな話があった。

僕はこの外羽根プレーントゥという形が好きなのである。今これを書いてるときに履いてる靴もリーガルの外羽根プレーントゥの名作2504だ。服装はネイビーのブレザーにベージュのコットンパンツといういわゆるジャケパンスタイル。いや、この靴は何でも合うだろう。スーツの時こそストレートチップを履くが、それ以外ならデニムにでもカーゴパンツにでもいけるのではなかろうか。

という具合に僕にとってシャノンとはスニーカーみたいな存在なのだ。究極のカジュアルシューズ、それがシャノンであり外羽根プレーントゥだと僕の中では位置づけている。今年の春もどんどん履いて行きたい。

ところで僕は革靴が好きだが、考えてみるとブーツ以外はリーガルとチャーチだけしか持っていない。どちらも好きなブランドだが、現在チャーチの価格設定はハイブランド化してしまった。現行のシャノンを買おうとすると16万5千円。

こんなの古い人間からするとちょっとありえない話。僕はもちろん買えないので、いま手持ちにある革靴をローテーションとリペアして生きていくつもりである。

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