真夏の暑さとガンズ&ローゼズ

音楽やバンド

その昔、ガンズ&ローゼズ(英語:Guns N’ Roses)という世界的なロックンロールバンドがいた。正しく言えば現存するバンドなので「いる」なのだが、あのバンドが放っていたかつての光り輝く姿を知ってた人々にとっては過去形の方がより通じやすいと思う。

若い頃はよく夏にガンズ&ローゼズを聴いていた。暑ければ暑いほど心が彼らの音楽を欲していた。でも、そんな欲求がいつしか無くなった。たぶん年を取ったせいだろう。

僕はもうプレイする側の人間ではないから、ロックンロールミュージックの進化や新しい形といったものを求めることは無くなり、音楽自体が僕の中では嗜好品か、ちょっとだけそれ以上ほどの存在へと変化した。今ではもう好きなモノやかつて好きだったモノだけを繰り返し聴く日々である。

そんな僕だが、この夏はガンズ&ローゼズの音楽をまた聴き始めている。この連日の暑さに対抗するためには彼らの音楽のエネルギーが必要だと身体が反応しているのかもしれない。

例えばストーンズもエアロスミスも偉大なロックンロールバンドだし僕も大好きだが、どこか先人達のためのモノという感覚は否めない。

けれどもガンズ&ローゼズは僕ら世代のバンドだ。僕らが十代の頃に現れ、すさまじいスピードで成長し、そして円熟期を迎えたのち崩壊した。それを僕らはこの目でずっと見てきた。

92年の東京ドーム公演でのラストナンバーである「Paradise City」

僕はこのとき現場にいた。エンディングに向かうパート部分でまさに会場全体がカオスとなるのだが、6分23秒のところ、シメを唄うためにアクセル・ローズがセンターに立ったところでスポットとステージライトが彼に集中する。僕はこの瞬間が大好きだ。この日の長い夢物語にピリオドを打たれるイメージだった。

もうこういったスケールのバンド、スリリングなロックンロールが生まれ出てくることはないのだろうか。

夕方のテレビニュースで「東京ドームでの公演を予定しているガンズ&ローゼズが、先ほど成田空港に到着しました」というアナウンスを聴いたときの興奮が懐かしい。