約束の写真

散文的日常記録

先月、保護者仲間のお父さんたちと企画し、剣道部の子たちを海へ集めて遊んだ。水遊びだけでなく、すいか割りや花火もやった。

太陽が海の向こうへ沈む頃に「よし、みんなで夕陽に向かってジャンプしてる写真を撮ろう」と僕が提案した。

すると一人の女の子が「去年の○○(広報の名称)の表紙みたいな?」と言った。

去年の二学期、コロナ禍で中止になった修学旅行の代わりにと、旧6学年のPTAが熱意を持って企画した一泊二日の親子レクが行われ、僕はカメラマンとして同行した。

そのとき夕暮れの海岸で二人組の女子が「夕陽に向かってジャンプする写真を撮って!」と言ってきた。最初はその二人だったのだが、「混ぜて!」とどんどん増え、結局12名でのジャンプ写真になった。僕たち広報部はその写真を表紙に決定し、他の写真も特集ページを組んでたくさん掲載した。

そのことを思い出しながら、剣道部の子達が同じように浜辺でジャンプする姿を写真に収めた。そして内心驚いていた。半年以上も前に配布された広報の表紙写真なんて子どもたちの時間の流れの中では遠い昔の出来事のはずなのに、今の今までちゃんと覚えてくれていたことに。

撮り終えた後、さっきの女の子が「花火をやってるときの写真も撮ってほしい。とにかく去年の○○(広報の名称)みたいに撮ってほしい」と言ってきた。

全てが終わった後に、女の子にカメラの液晶モニターで浜辺ジャンプの画像を見せた。「来年は○○(広報の名称)よりももっと上手く撮るから、君たちも綺麗にジャンプが揃うようにチームを作ってくれよー」と僕は言った。

「わかった。頑張る」と彼女は笑顔で頷いた。

タイトルとURLをコピーしました