【ASAHI PENTAX ES】追憶のフィルム写真

長い間、自宅玄関には息子の入学記念として、当時妻が勤めていた写真館で撮影してもらったランドセル姿の写真が飾ってありまして、それを今回入れ替えることにしました。

これです。今年の春の休校中、夕方になるとよく学校のグラウンドで剣道の基礎練習を一緒にやっていたものですから、そのとき桜の木をバックに僕が撮ったもの。プリントサイズはA2ですね。

やはりというか何というか僕はプリントが好きなんですね。というより僕の中ではプリントして初めて写真になるのであって、その前の段階だと画像データなんですよね。

恐らくこの考え方は古くて、現代では商業や広告の世界でもデジタルデータで完結してることが多いと思います。

だけど、やっぱね、紙かなんかに印刷されたものが僕は好きですね。別にきちんとしたプリント写真じゃなくても、例えば学校へ納めたデータがお便りなどに使ってもらって返ってくるだけで嬉しいですもん。ああ、カタチにしてくれたんだって。

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出会い

以前、フジフィルムのデジタルカメラX100が欲しいということを書きました。あのクラシカルなデザインがいいなと思って。

「ああ、それにしてもX100Fが欲しい」—2019.03.14投稿。

それを覚えていた友人から「○○(市内の某リサイクルショップ)にX100の初期型みたいなのが売ってたぞ」という連絡が入り、配達帰りにお店に寄ってみました。

そのときの印象を正直に書くと「あれ?イマイチだな」

確かに以前X100のカタログを眺めていたとき、、いや妻が「そういうのはね、一流の広告カメラマンがものすごいライティング技術で撮った商品写真だよ。実物はもっとショボイと思うよ」とチクチクやってきましたが、まさにそのとおり・・・というか僕が勝手に抱いていたイメージと全然違うんですよね。

うーん、おかしいな。

軽く動揺しながら店内をウロウロし、そして何気なくフィルムカメラの商品棚を通ったとき、こっそり後ろに置いてあった一台の黒いカメラが目にドーンと入ってきました。

「ASAHI PENTAX?ああ、このカメラ知ってるぞ・・・。前に本で見たな・・・。むかーし確かバカ売れしたんだよな。確かビートルズが来日したときポール・マッカートニーがこれを買っていったとか」

それにしてもものすごいオーラを放っております。他にもカメラは並べてあるのですが、これしか目に入ってきません。

考えてみればおかしな話です。僕はもともとカメラ本体に惹かれることなんてありませんでした。自分が持ってるデジタルカメラだって写りがどうのとかはありますが、機械のデザインそのものをかっこいいなんて思ったことがありません。

そんな僕がこの目の前のASAHI PENTAXに惹かれる理由がさっぱりわからない。さらに動揺したまま店を後にしました。

下調べ

帰って早速ネットで調べました。よくよく調べると、先ほど書いたバカ売れした同機というのはASAHI PENTAX SPというやつで、僕が見たのはそのSPの後継でESというマイナー機でした。

いや、そんなことはどうでもいいのです。あのブラックが!あの無骨なデザインに塗りたくった精悍な黒がたまらんのです!

欲しい。というか買います。レンズが付いて数千円です。なんでこんなに安いのか不安でしたが、その話はあとで。

ただ、さすがに50年前のカメラを何のチェックもせずに買うことは出来ません。ネットで「ASAHI PENTAXシリーズを買うときの注意!」みたいなサイトを読み漁り、入念にチェックポイントを頭に入れ、次の日お店に向かうことにしました。

・・・が、その前に妻にも一言断ることに。

というのも、普段は僕が何を買おうが無頓着ですが、ことカメラとなると話は別です。買ったはいいけど、不具合だらけで使えなかったとかになったら死ぬまでバカにされますのでね。

「まぁ数千円ならいいんじゃない?フィルムカメラはいいもんだよ」

ということでとりあえず了承は得ました。

いざ購入

翌日。開店同時に買うのもいかにも「このカメラを買いに来ました」という感じで恥ずかしいので昼前くらいに入店しました。

そして店員さんを呼びカメラ棚の鍵を開けてもらい、いざご対面です。

昨日得た付け焼刃の知識で入念にチェックします。というか調べていて良かった。そうじゃなかったら、僕はフィルムスペースのフタの空け方もわかりませんでした。

問題なし。というか逆に何でこんなに50年前のものがキレイなのかわけがわかりません。

ということで無事購入。

かっこよすぎて死にそう。

なんて素晴らしい質感なんでしょう。元男の子だったら絶対に同じ感想を抱くはずです。このメカメカしい感じ。遠い昔、親に買ってもらった超合金のロボットを初めて手にしたことを思い出します。

さっそく妻にも見せびらかしました。

「懐かしい!!」

懐かしいってなんだよ。前々から気づいてたけどあんたやっぱり中身はジジイかよ・・・と思ったんですが、よくよく聞くと、美大の写真学科時代にニコンのF2というこういったフルメカニカルシャッターのカメラが支給され、それで授業をやってたそうです。

「初めてならフィルムは400がいいよ。」

400というのは感度のことです。デジタルカメラはカメラ本体でセンサー感度を調整しますが、フィルムカメラはフィルム自体で選びます。100なら晴天用、800とか1600なら屋内用といった感じですね。400はその中間といったところでしょうか。

ということでコダックのULTRA MAX 400の3本セットを買いました。

いざ撮影

何しろ一本に付きたった24枚ですから、普段のデジタルカメラのように撮って撮って撮りまくるわけにはいきません。じっくりじっくりやります。

「なんでこんなもん撮ってしまったんだ!!」という後悔もフィルムカメラならでは。

今回アップしている写真は、カメラのキタムラさんで現像してもらったネガを、何故かウチの親父が持っていたフィルムスキャナー(安い)でスキャンしてPCに取り込んだものです。

なんとなくボヤーっとしてますが、これはワタシの名誉のために言っておくとですね、スキャナーの性能が低いからで、ワタシのピント合わせが下手糞なのではありません。その証拠にキタムラさんにしてもらったプリント写真はもっとピシっとしておりました。

日曜日の剣道の朝稽古。

以前、ここからデジタルカメラで同じ写真を撮りましたが、フィルムはフィルムで雰囲気が違います。

昭和に撮った写真ではありません。昨日です。

いや、もうフィルムカメラ最高です。マニュアルフォーカスもマニュアル露出も面倒なんて思いません。楽しいです。

この写真が自己ベストショットです。もちろんみなさんには全く意味不明でしょうが、このカットのプリント写真を手にしたときに、僕の中にあった遠い記憶が一瞬で蘇りました。遠い昔、あの夏の日、暑中稽古の帰りに仲間と同じように歩いた光景を。

稽古帰りに海までドライブ。

このフィルムは青みが特徴的だね。フィルムごとに映りの違いを楽しめるのもいいね。

いつもの自宅ベランダからの眺めも、このカメラで撮ると子どもの頃にみた空を思い出す。

本当はみなさんに薦めたいけど

ということで初めてのフィルムカメラ体験でした。いや、もちろん初めてではありませんけどね。雑誌の日光写真キットに始まり、中2のときはホームセンターの特売で買ったコンパクトフィルムカメラとか使ってたし、あと大人になってからは「写るんです」ブームでしたから。

ただ、やはりこういった機械式のカメラは最高です。何度もいいますが50年前のカメラなんですよね。今のデジタルカメラは50年もたないでしょう。恐らく電子回路が腐食しますから。

いやぁこんなロマン溢れる趣味をみなさんに薦めたい・・・んだけど、ひとつ問題がありましてね。

先にチラっと書きましたが、実際こういったクラシカルなフィルムカメラ、本体は安いんですよ。もうちょっと新しくなってオートフォーカス&オート露出搭載した小さいカメラ、いわゆるバカ○ョンカメラだって、よほどの人気機種じゃなければ1万円以内で買えますから。

けれどもフィルムと現像、そしてプリントがね、昔より高いんですよね。

今回もフィルムが一本あたり約660円、現像が800円、プリントが23枚で920円だったかな。ほら、24枚フィルムだから1枚あたり100円のコストがかかるんですよ。

フィルムをもう少し安い36枚撮りのやつにして、お店には現像だけ頼み、あとは自宅でスキャンして気に入ったやつだけどプリントすればもっと抑えられるんですけど、それでも@40~50円は掛かるんじゃないかなぁ。

ということでね、僕もたくさん撮る人なんでね、フィルムカメラはほんとここぞと言った私的写真を撮りたいときに使うと思います。普段の散歩で使うのは今までどおりデジタルカメラで。

そうですね。特に懐かしい写真を撮りたいときに使うことになるでしょう。50年前のカメラを使って、普遍的なものや郷愁を感じるものを撮っていきたいと思います。

でも、気軽に写真を始めるならフィルムカメラもおすすめですよ。デジタルカメラは初期投資が大変だし、写るんですとか最近また人気だけど、あれはあれで使い続けるのはお金がすごく掛かると思うんでね。

ではまた。

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