鷹の目テッサーと呼ばれたレンズ-Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8-

Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8

モノづくりといえば日本かドイツという時代がありました。ちなみに僕の本業である一般工業部品販売業の世界でも相変わらずその二国への信奉性は高いです。

例えば自動車でもそうですね。憧れのクルマはアメリカやイタリアにも多いけれど、信頼度からいえば日本車かドイツ車というイメージがあるように思えます。

そしてカメラ分野。2021年現在、この分野においての販売シェアでいえば日本製が世界一なのは間違いないのですが、それでもドイツにはまだまだブランド力が高いメーカーが存在します。

それがライカ、そして今回の記事で触れるカール・ツァイスのレンズですね。

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カール・ツァイス・イエナとは

ドイツの老舗レンズメーカーであるカール・ツァイスというは会社は2つに分断された過去があります。

それは第二次世界大戦での敗戦によりドイツという国が西と東に分かれたためですね。若い方だとご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、1989年のベルリンの壁崩壊後の再統一まで、ドイツは民主主義国家の西ドイツと社会主義国家の東ドイツが存在していました。

そういった経緯もあり、このカールツァイスという老舗ブランドも、西に分かれた方はカールツァイスを名乗り、東は会社の本拠地の名前を語尾につけ、カールツァイスイエナを名乗ることになった経緯があります。

今回取り上げるCarl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8はその東ドイツ時代のレンズ。とはいえ源流は同じカールツァイスであることは変わりありません。

余談ですが、現在の国内メーカーではSONYがカールツァイスと協業関係にあり、SONYのデジタルカメラ用上級クラスののラインナップとしてカールツァイス銘のレンズが販売されています。

鷹の目テッサー

カールツァイスのレンズにはそのレンズ構成において「Planar(プラナー)」や「Sonnar(ゾナー)」といったネーミングが称されます。

今回僕が購入したレンズはCarl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8で3群4枚という構成で、ネーミングは「Tessar(テッサー)」です。1902年に考案されたこの組み合わせは改良を重ね原型が1930年に出来上がっており、それ以降、基本的なことは変わぬままリリースされ続けたそうです。

ちなみに「鷹の目テッサー」のキャッチコピーはその当時のセールス文句。よほどカールツァイスはこのテッサーに自信を持っていたと言えましょう。

ゼブラモデル

さて、現代カールツァイスといえば高級レンズですのですなわち高額なイメージがありますが、オールドレンズの中でもこのイエナシリーズはリーズナブルなものも多く、今回僕が買ったテッサーに至ってはメルカリで1万円強でした。ちなみにメルカリやヤフオクの相場では10000円~15000円くらい、恐らくショップ購入でも15000~20000円あたりではないでしょうか。

なおイエナのテッサーには4種類あるらしいのですが、僕が買ったのは後期型であるゼブラカラーで、恐らく1960年代後半のものになります。選んだ理由は、単純にゼブラがかっこいいからですね。

マウントはスーパータクマーシリーズでお馴染みのM42マウント。僕の場合はいつものようにSONYのα7ⅡにM42マウントアダプターを介して装着しています。

撮影したもの

ド逆光で撮るとものすごいフレアが出ますが、これはこの時代のレンズでは当たり前のことですね。僕は面白いのでよく逆光を狙いますが、大事な記念撮影のときなどは避けましょう。

 

 

これは開放値であるF2.8で撮りましたが、基本的に僕はこのレンズは5.6~11あたりまで絞って使うつもりです。

 

夕暮れ時の写真とはいえ、このへんの色味は独特、というか懐かしい感じが前面に出てますね。これを求めて買ったようなものです。

 

いつもの公園がとってもシネマチックなものに変わります。

 

いわゆるオールドレンズで評価されるものって2パターンあると思います。ひとつは「古いくせによく写る」と「古い時代生まれにふさわしく写る」

僕がオールドレンズに求めるのは後者です。前者を求めるなら素直に現代レンズを使います。

 

夏の描写はロッコールにハマった僕ですが、これからの季節である秋冬は間違いなくこのカールツァイスにハマりそう。

 

このレンズのいいところは寄れるところでもあります。最短30センチほどだったかな。散歩しながらの簡易的なマクロ撮影にぴったり。

 

このレンズが出た頃はもちろんモノクロ写真時代だったはずです。そんな時代にこんなに写るレンズだったのですから、そりゃ当時は大絶賛されたでしょうね。

 

明日は小学校で稲刈り体験学習が行われる予定でその撮影に行くのですが、さすがにこのレンズは使いません。いきなり昭和の子どもたち的な写真になっちゃっても困るんでね(笑)

でも、いずれはみんなを撮る場合の動画レンズとしても使っていきたいと思っています。

 

以上、Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8購入後3日間のファーストインプレッションでした。

というわけで

すっかり気に入ってしまったCarl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8というレンズ。

文中にも書きましたが、僕はオールドレンズを使う以上は個性的な写りを求める方です。いわゆる「現代でも通用する写り」と評価されるものはあまり興味がありません。だったら普通にCanonのEFレンズを使いたいですからね。

昨日もとある会合でそういう話がでたのですが、僕がこれまで強く影響を受けたものといえば古い時代のロック音楽だったり、そのジャケットの中に使われている写真だったりするわけです。そう考えてみると、こうやって古い時代のレンズを装着して撮るスナップ写真に僕がたどりつくのは必然だったのかもしれませんね。

いやぁ、カールツァイスイエナのテッサー、とってもいいですね。今後当ブログでも登場する機会が増えそうです。

ではまた。

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