理想の世界

今朝は今年度6度目の読み聞かせボランティアの日。担当は息子が所属する隣りのクラス。彼らに本を読むのは2ヶ月ぶりだろうか。

久しぶりに会うみんなは、一学期当初クラス替えしたばかりという浮き足立った雰囲気もすっかり消え、昨年までの落ち着きに戻っていた。

とはいっても、すでに僕が何者で、何故ことあるごとにカメラを持ってウロウロしているかを認知してくれているので、やり辛いとかそういったことは無い。

ただ、そんな雰囲気だったので2冊持参したうち、ローリング・ストーンズのギタリスト、キース・リチャーズの自伝的絵本「Gus&Me」を読むことにした。もう1冊持っていったのは「おなら」だが、こちらは「さぁ笑わせてくれよ」という感じだったときに読むつもりだった。今朝はそうではなかったということ。

「Gus&Me」はキース・リチャーズが少年時代に大好きだったおじいさんと一緒に楽器の工房に行き、そこで目にした楽器の中でもギターにひと目ぼれしてしまったという話。特に感動的なオチも無ければ、教訓めいた話でもない。

要はキース本人を知ってる人なら腑に落ちるが、そうではない子ども達にとってはポカーンとする話。

それを予めわかっていたので、ストーンズのコンサートの動画が入ったiPadも持参した。本を読んだあとにそれを30秒だけ見せた。もちろん90年代の映像である。70年代のを子どもたちに見せるわけにはいかない。

「ギターに恋したキース君は、好きで好きで仕方なく毎日一緒にいたらギターがとても上手になり、今でも大勢の人のために演奏しています。ほら、このように」

日本全国に小学校はたくさんあれど、教室内でストーンズの映像を使ったのは僕だけかもしれない。

「みんなもこれから好きなことがたくさん出来ると思います。すると自然に得意になることが出てきます。そしたら自分だけじゃなく、自分以外の誰かのためにその力を使いましょうね。すると世の中がどんどん良くなるからね。では、おしまい」

これは綺麗ごとではなく、僕が日ごろから思っていることである。人間社会に身を置きつつ権利を主張する以上、自分だけ良ければいいという理屈は通用しない。

もちろん僕は教育や道徳の専門家ではない。そちら方面のことは何も教えることは出来ないし資格も無い。ただ上に書いたようなシンプルなことは、イチ大人として伝えてもいいのではないだろうか。

ブルーハーツの甲本ヒロトが「人にやさしく」という歌を作ったときに、テレビのインタビュアーに「どうしてこういうタイトルを付けたのですか?」と聞かれてこう答えていた。

「人にやさしくして欲しかったから。僕が人にやさしくして欲しかったから」

僕もこの感覚に近い。みんなで得意ワザを持ち寄って、どんどん良くなっていく流れの中で生きていたい。

それを理想だ夢想だと言うならば別に構わない。

ただ、理想は向かっていかないと、その通りになることは決してない。

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