技術もだけど、やっぱ道具って大事だよねという話。

その他

客観的に見た場合、僕という人間はどちらかというと道具に無頓着な方です。

なぜ突然そんなことを言い出したのかというと、先月行われた寺内君主催のUKフェスに僕はドラム係として出演させて頂いたわけであるんだけれども、そのとき自前のスネアドラムとスティックを持参しました。

そしてあの日酔っ払って帰ってきて、それを一ヶ月近く玄関の隅っこに置きっぱなしにしていたら、つい先日家族に「邪魔だからいい加減片付けなさい」と言われ、いつものように倉庫の2階に持っていこうとしたらスティックケースのファスナーが少し開いていてバラバラと玄関にスティックが散乱するという始末。

それを拾い集め、改めてマジマジと眺めてみたら、見事なまでにまともな組み合わせのスティックが少ない。

そう、僕は平気で太さや重さが違うスティックで演奏するときがあります。これを読んでしまったドラマーの人達にはさぞ「バカじゃねーの?」と思われるだろうし、ましてや友人のドラム講師のゆうか先生に知られてしまったら「オガーさん。いい加減にしてください。舐めてるんですか?」と怒られそうな話でもあるわけで。

何でそういうことになってしまうのか?毎回同じスティックを買えば済む話なのではあるが、いつも自分が使ってるサイズを忘れてしまったり、こっちも使ってみようと目移りしているうちにそうなっちゃったの、テヘ。

これは「おれは天才だから弘法筆を選ばずなのだよ」と言いたい話ではございません。逆に自分のイヤな部分のひとつなわけでして、その証拠に僕は道具にこだわりを持っている人に憧れを抱いております。

なぜなら、そういう方面の勉強や研究を怠らなかったら、ひょっとしてもうちょっとまともなドラムが叩けたのかもしれないな、と思うことも無くはないから。

片付け終わった後、なんで自分はそういうふうになっちゃったのかいろいろ考えてみました。

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話は小学生まで遡る

心当たりがひとつある、というか恐らくそれが原因。

僕は小学生のときから中学卒業まで剣道をやりましてね。しかも「健康志向」のそれではなく、わりとガチな方向で。

どのへんがガチかといえば、入学した学校の剣道スポーツ少年団がこのへんではいわゆる伝統的な道場であり、過去には全国3位とかなっちゃったときもある、いわゆる古豪と呼ばれるトコ。だからかスポーツ少年団に加盟してからもあくまで道場路線を突っ走ってましたね。

僕は叔父やいとこがそこの出身者だったこともあり、彼らに強く奨められ、小学校に入ったと同時に竹刀を握らされました。

いま思えば自分は運動神経がいい方ではなかったのですが、「自分は強くならなければいけない」という子供特有の思い込みからくる努力によって小、中学校では主将を務めるほどにまではなれました。

振り返ると僕の根性という名のパラメータはこのときゼロになり、今の今まで二度と回復することはなかった気がします。もともと少なかった根性貯金を使い果たしたってやつですね。

さて、その約9年間で自分なりに学んだことはたくさんあると思うのですが、今でも頭にこびりついてるのは「人間の体調や感覚って毎日違うんだな」ということ。

というのも、竹刀を持ったときに感じる重さや相手と対峙したときに感じる間合いが日によって違うんですよ。この感覚お分かりいただけます?

例えば竹刀って小学校、中学校それぞれ長さに規定はあるものの、確か重量に関しては「○○グラム以上」というのをクリアしていればあとは自由だった記憶があるんです。だから新調したり修理をするたびに、あれやこれや試行錯誤してカスタマイズするんですよ。市内のスポーツ用品店に行って部品触ってあれやこれや考えながら。

けれども、結局先週しっくりきたのが今日はイマイチみたいな繰り返しで、なかなか自分にとって最高のポイントをみつけることが出来ない。ほんの数十グラムの差だったり、ミリ単位の太さだったりするんだけどね。

先輩の強い選手には「自分はコレでいく」というのを決めてる人もいらっしゃいました。というかむしろ多かった。だがオガー少年はそうなれなかった。「何使ったって結局同じじゃーん。どれでも同じように戦えるようになればいいんだろ?」と開き直りましたね。

思えばここが分岐点でしたハイ。

確かにそうなのだが

そうなんですよ。強くなりゃいいんですよ。どんなもん使ったっていつもと同じパフォーマンス出来れば構いませんよ。実際そこを僕は目指しましたよ。

 

でも振り返ってみて僕が究極にアホだったと思うのは、それで世の中ほとんど通用しちゃうだろと思ったフシがあるところですね。技術の向上は道具の利便性を凌駕するみたいな。

 

何がアホって、世の中には「あーだこーだ悩んだところで、道具変えれば一発で解決しちゃうことってあるよね」ってのがたくさん存在するんですよ、やっぱり。

 

例えばですね、僕がやってたバンドあるんですけどね、アレでドラム叩いてたわけなんですけど、最後の2年間って僕のスネアドラムが変更されたんです。

簡単に言うとそれまで使ってたのが木製だったんですけど、途中何年目だったかなー、とにかくバンドが転がっていくうちに、特有のスカーンという甲高い音からどうしてもズドーンいう中音域に振った音が欲しくなってね。あれやこれややってはみたんですけど、結局しっくりこなくって。

「仕方ない。スネア変えてみるかー。カネかかるなー」

と決意して、いろんなレビュー読んだり、YouTubeでサンプル動画視聴したりして、結局行き着いたのが下のスネアなんですけどね。B’zのサポートドラマー、シェーン・ガラス氏のモデル。いわゆる真鍮製ってやつ。

いやいや目からウロコでしたね。長いあいだヘッドをいろいろ試したり、チューニングで悩んでたのがアホらしくなりました。一発で解決しちゃったんだもん。

あと他にはといえばカメラですかね。というかレンズ。あの世界もそうですね。絶対に技術だけでは撮れない写真ってありますし、グダグダ周り道しちゃうより、レンズを変えれば一発で解決しちゃうことがある・・・と思う。

とはいうものの

まぁこういう言い方をしちゃうとですね、「じゃ、やっぱり道具が大事なのか?」という話になっちゃうと思いますけど、そこはちょっと待ってください。

けしてですね、道具至上主義になったわけじゃないのよ。

何事にも技術じゃクリア出来ない壁、というかそのクリアしようともがいてる状態を道具が解決してくれるならそれでいじゃん、というか何だか時間がもったいないような気がしてきましてね。

ま、年を取ったといえばそれまでなんですけど。

かといって道具先行タイプってのもなんだかなぁと思うし、何より僕の美意識ではあまりカッコ良くないのでね。そこはこれまでと変わらないんだけれども。

ただアレですね、今まではそういう道具の研究ということを僕は怠りすぎました。いくらカネが無いからといって、全くそっち方面に無頓着というのはほんとよろしくない。

要はですね、常に手持ちの道具のポテンシャルや限界を知れるようになりたいですね。楽器にしても何にしても。

そうそう、それ。例えるなら時速100キロまでしか出ないクルマを、きちんと100キロ出せるような状態を目指したい、というか100キロの状態を知っておきたい。次のステージも視野に入れておきつつね。

何だかまとめきれない記事になりましたけど、ま、そういうことですな。

ちなみに僕がドラムを演奏する上で一番重要、というかセッティングに一番時間が掛かっちゃうのがイスですねイス。イスの高さと位置。これもまたその日その日でベストなポイントって違うんですよホント・・・もしかしてオレだけ?

まぁ、例えばいつかまたステージの上での僕を見る機会がもしあったなら注目してみてください。前の弦楽器のみんながチューニングとかアンプのセッティングしてるときに、僕はひとりイスの前で座ったりしゃがんだりしながらアタフタしてるので(笑)

ではまたっ!!

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